デジタルエンタープライズは、どのようなものか。
ビッグデータを例にしてみよう。この分野はTerracottaの製品群を中心とし、さらにProgress Softwareが持っていたApamaの買収などによってラインアップを強化している。Apamaは金融や通信トランザクションログからユーザーの活動を分析する、複合イベント処理(Complex Event Processing:CEP)の基盤となるツールだ。
Apama単独での機能はもちろん、Terracottaとの組み合わせでさらに力を発揮するという。2013年末に出荷開始予定のインメモリプラットフォーム「In-Genius」は秒間100万イベントのトランザクションを処理可能とのこと。
「当社のビッグデータプラットフォームは、テラバイト級のデータを扱えるのが強みです。というより、そうでないと大規模トランザクションを分析できません。例えば金融トランザクションからトレーディングの不正を検出するには、数テラバイト級のデータ分析が必要です。こういったログにはイベントがどんどん入ってくるし、すぐアクションにつなげないと意味がありません」(Neumeyer氏)
このような強みを持つTerracotta製品群は、世界各国の金融系・通信系企業で採用されており、日本企業のユーザーもいるという。
「例えばAT&TでもTerracottaを使っています。また、SalesforceではChatterにTerracottaを組み込んでおり、Googleでも同じような使い方をしています。オンラインでの商品販売でも使われており、例えば他社に先を越されてオンラインの収益を拡大したい企業やプラットフォームが不安定で伸びていない企業がシステムの改善に役立てています。セッション中にクラッシュしたり、買い物カゴのデータがロストする、また応答時間が非常に長くなってしまう、技術的な制約で同時に利用できるユーザー数が限られているなどといった課題に対し、システムを完全に置き換えるのでなく、Terracottaの追加でかなり改善できるのです。既存投資を保護しつつ、大きなイノベーションをもたらすのです」(Neumeyer氏)