アイ・ティ・アール(ITR)は11月28日、国内クラウドコンピューティング市場動向とIaaS/PaaS市場予測を発表した。2012年度のIaaS/PaaS市場規模は前年度比45.3%増の841億4000万円へと拡大しており、2017年度には2600億円を超えると予測している。
IaaS/PaaS以外の市場規模も発表されており、DaaS市場の2012年度市場規模は前年度比18.8%増の28億5000万円へ成長したほか、エンタープライズSaaS市場14分野の2012年度市場規模は前年度比16.8%増と高い伸びを維持して約443億円に達したと説明している。
ベンダーへの調査と並行して行われたユーザー企業に対する調査結果も発表されている。パブリッククラウドに対するユーザーの意識としては依然としてコストを利点として挙げる回答が多く、ITRでは「クラウド活用の成熟度はまだ低い」としている。


パブリッククラウドの利点(複数回答)
国内企業の情報システム部門などに所属し、クラウド活用に対する企画から導入、運用までに関係する役職者(有効回答数200件)を対象として、10月に実施した。
市場動向と予測は、ITRがクラウドコンピューティング市場を対象とした国内35社のベンダー調査に基づいたもので、詳細は同社のレポート「ITR Market View:クラウド・コンピューティング市場2013」にまとめられている。