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スキルとセンスの違いとは--一橋大学大学院の楠木氏

齋藤公二 (インサイト)

2013-12-04 07:30

 ワークスアプリケーションズは11月29日、都内ホテルでCIOやITリーダーを対象にしたプライベートイベント「COMPANY FORUM 2013」を開催した。

 基調講演で、Procter & Gamble(P&G)の最高情報責任者(CIO)、Filippo Passerini氏がビデオセッションに登壇した様子については記事で紹介した。ここでは、その後の講演で、経営戦略アプローチ「戦略ストーリー」の提案で知られる一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏が話した内容を伝える。

一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の楠木建氏

 楠木氏は「戦略ストーリーを創るセンス」と題して、戦略ストーリーの考え方や「センス」との関係について解説。さまざまな比喩と巧みな話術で会場を沸かせた。

 楠木氏によると、センスは、英語やITのように理屈があり教育によって習得が可能なスキルとは異なるものだという。センスは、理屈ではなく育成するための方法論も存在しない。その意味で、経営というのは、センスだという。

 もし、スキルとセンスを取り違えると、教えることができないものに教育の資金を投じるといった悪循環が生まれてしまう。

 スキルとセンスの違いは、何か特定のものを担当しているかどうかでもある。例えば、IT担当者というのはITを担当するスキルを持っている。一方、経営というのは「何も担当しない人」ということができる。その意味では「最高情報責任者(CIO)は担当者ではなく経営者であり、商売全体をまるごと動かし成果を出す」(同氏)必要があるという。

 もっとも、センスは教えることができない。ではどうするか。楠木氏は、センスを持った人材を見極めることが大切だとした。そして、いったん見極めたあとは、その人の一挙手一投足を観察し「センスが勝手に育つ」ようにするという。

 その1つの例として、ファーストリテイリングの取り組みを挙げた。そこでは「ゴングショー」という「自分はこれをやってみたい」という人に10分間好きなようにプレゼンをさせる取り組みがあるという。プレゼン途中で「評価に値しない」と判断されれば「終了のゴング」が鳴らされ、即座にプレゼンが打ち切られる。「のど自慢のようなもの」(楠木氏)だ。

 そのゴングショーで終了のゴングを幾度となく鳴らされ続け、最終的にプレゼンをやり切った人物がいる。ユニクロの野菜販売などを手がけ、その後、ジーユーを立ち上げた柚木治氏だ。同氏は、代表取締役社長として、毎年のようにジーユーのコンセプトや店づくりを進化させながら、同社を持続的に成長させている。

 「その人のセンスは、挨拶や服装、顧客との接し方、電話の取り方などにあらわれる。だからこそ全部見る」(楠木氏)という。

 なお、自分でセンスを磨くこともできる。楠木氏が実践しているのは、10分間、自分のアタマだけで考えるトレーニングだという。書類やネットを見ずに、できれば暗闇で、論理的にモノを考える。また、論理を考える土台としては読書も最適だと主張し、そのうえで自身の著書を紹介するなど最後まで聴衆の笑いを誘っていた。

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