9.秩序
私は、時間に追われていないITプロフェッショナルを見たことがない。納期の遅れから、新システムの導入手順が一部省略されることもあるだろう。そういった場面で省かれる手順は、その環境をきちんとしたものにするためのものであることが多い。
システムの導入は、ただつないで電源を入れるというようなものではない。標準化され、サポートしやすい手法で、データセンターにデバイスを統合することも含まれる。サーバーラックは、整然とした、論理的なレイアウトでなくてはならない(例えば、生産性システムを1つのラックに収め、テスト用システムは別のラックに、という風に)。ケーブルは闇雲にぶら下げられているのではなく、適切な長さで、ケーブルガイドを通して接続されていなくてはならない。次の2枚の写真のうち、この初めの写真と、

提供:Wikimedia Commons
この2枚目の写真のようなデータセンターでは、どちらがトラブルシュートしやすいだろうか。

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10.文書化
パズルの最後のピースは、適切で実際に役に立つ、最新のドキュメントを用意することだ。デバイスの取り付けを正しい手順で行わなければ、新たなミスが発生してしまうかもしれない。スイッチのレイアウトと、どのサーバがどこに接続されているかを示す図を一緒にしておくだけでは、不十分だ。チェンジマネジメントのガイドラインでは、システムの細かい点が変更されるに従い、文書を適切な状態に保ち、必要な人物に配られるよう定める必要がある。
縁起でもないと思う人もいるかもしれないが、私は「もし交通事故に遭ったら」というルールで暮らしている。もし私が明日バスに跳ねられても、周囲の人たちは、少なくとも私の仕事や個人的なことに関する文書が最新であるかどうかを心配する必要はない。私は毎週、すべての変更や修正が適切に記録されていることを確認しているからだ。あまりドラマチックでない言い方をすれば、私がいつ転職することを決めても、私は自分が面倒を見ているシステムについて頭の中にあることを吐き出すために、2週間かけたりしなくていいようになっている。
最後に
これらの概念の素晴らしいところは、ハードウェアやソフトウェアによって変わることはないということだ。これらのルールは、データセンターで動かしているサーバが「Linux」であろうが、「Windows」であろうが、他のOSであろうが、単なるネットワークスイッチの集合とメインフレームであろうが、皆さんや、皆さんが属する組織に役立つはずだ。
これらをすべてを結びつけて、自組織のIT環境を1つの車輪だと考えて欲しい。データセンターはその中心であり、そのタイヤの周囲をここで紹介した10の概念が取り巻いている。
それぞれに時間とエネルギーを割くことは、あなたの組織のタイヤがスムーズに回るようにするということなのだ。それこそ、まさしくデータセンターが目的とすることのはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。