クラウド支出の大幅増
クラウド支出は25%増、1000億ドルを突破し、Amazonと競合する従来型のIT企業が息を吹き返すとした。こうした企業のクラウドデータセンター数が大幅に伸長し、グローバル規模に達するとIDCは予測。この動きに伴い、業種特化型のクラウドIaaSサービスが増加し事業者が差別化されるとした。クラウドベースアプリケーションの開発者間の競争が激化し市場の伸びを後押しするという。
ビッグデータへのIT支出の急増
ビッグデータへのIT投資は2014年に30%増加し、140億ドル。ビッグデータアナリティクスへの需要が供給能力を上回ると予測している。データ最適化されたクラウドプラットフォームの競争が始まり、プラットフォーム上では、大容量のデータやリアルタイムのストリームデータを処理することができるようになるとした。また、データブローカーが急増することにより、企業や開発者は、データやアプリケーションを使い、顧客や製品、市場、行動などへマーケティングの示唆を得られるとした。
ソーシャル技術の組み込み
ソーシャル技術は、今後12~18カ月にわたり、企業アプリケーションに統合されていくという。顧客へのエンゲージ(入れ込み具合)や市場戦略に欠かせない戦略的な構成要素となることに加え、ソーシャルアプリがもたらすデータが、製品やサービス開発プロセスに欠かせないものとなるという。
IDCは、エンタープライズソーシャルネットワークが、クラウドサービスプロバイダーから標準サービスとして提供されることになると予測している。これにより、企業はソーシャルレイヤーとして独立して利用するのではなく、ソーシャルをワークフローに組み込むことが可能になるとした。
データセンター投資の拡大
データセンターはクラウドを構成する基盤であり、第3のプラットフォームに深い繋がりを持つ。クラウドに特化したデータセンターの数が増えることで重要性が増し、サーバ、ストレージ、ネットワークの市場が、クラウドサービスによってけん引されるようになり、システムの一体化やコモディティ化が進むとした。
また、インテグレーテッドシステムとクラウドサービスプロバイダーがデータセンター投資をけん引するという。この市場に参入が困難な既存のITベンダーは、クラウドを最重要視する戦略を採用せざるをえないと予測する。
第3のプラットフォームによる市場再編
第3のプラットフォームはすべての業種で市場シェア上位企業のシェアを争う可能性があるほど、次世代の競争優位性をもたらすという。これらの業種での差別化のポイントは、General Electricのビッグデータ処理プラットフォーム「Predix」のように特定業種向けにプラットフォームを作りだすことにあるという。このようなプラットフォームは、イノベーターの共同体を作り上げ、今後数年の内に同様の共同体が数十から百程度生み出されと予測する。
IDCは、これらの産業プラットフォームで使われるクラウドは、これから新規に作られるのではなく、Amazon、Microsoft、IBM、Salesforceといった上位ベンダーと、その他のベンダーのクラウド上に構築されると予測している。2014年は、これらの巨大企業にとって、産業プラットフォームのプレイヤーを見つけることが重要な課題になるとした。
IoT(Internet of Things)が第3のプラットフォームの成長を加速
第3のプラットフォームは、2014年にスマートフォン、タブレット、PCを超えInternet of Things (IoT)に広がっていく。2014年はIoTの基盤が形成され、既存のITベンダーがグローバルの通信事業者や半導体ベンダーとの協業を加速。家電やネットへの接続が可能なコネクテッドデバイス領域で、統合製品やサービスを提供するという新たな産業形態が生まれると予測した。この種の協業や連携によって、2020年までに自律的に接続される機器は300億台、IoT市場の売上は8兆9000億ドルに達するとIDCでは予測している。