3. 予想外の成功(や失敗)に備える
新たな冒険的事業を始めるときには(例えば新規の小売りウェブサイトや、ソーシャルメディアアプリケーションの立ち上げなど)、予期しないことが起こる。予想よりも早く利用者が急増してしまうかもしれないし、失敗してしまう可能性もあるだろう。どちらの例も、数多くある。では、事前にそのインフラにどれだけ投資するべきなのだろうか。パブリッククラウドプラットフォームを利用している場合、答えは「ほんの少し」だ。新規事業のリスクは、投資が最小限であればはるかに正当化しやすい。そして、もし大当たりを引き当てれば、クラウドサービスプロバイダの費用は、新たに生まれる収益に比べれば雀の涙に思えるようになるかもしれない。このような機能は、組織内のイノベーションを活発にするはずだ。リスクと失敗のコストが最小化されるため、より多くのアイデアを試すことができる。そのビジネスケースの正しさが証明されれば、社内でその事業のための資源を用意してもよいかもしれない。
4. アプリケーションテストベッドとしてのパブリッククラウド
アプリケーションの開発は、専用サーバで行われることが多い。これは、本番環境から適切に切り離すためだ。多くの機能はそのような環境でテスト可能だが、拡張性のテストは難しい。新しいコードを本番環境でテストするのは、現在実際に使われているアプリケーションに悪影響を与えるリスクがある。夜間に行えばいいと考える人もいるだろうが、最近では多くのアプリケーションが年中無休で動いている。パブリッククラウドは、このようなテストに最適の環境だ。テスト環境に、本番環境に近い資源を割り当てることができるため、新たなソフトウェアを十分に試すことができる。
このステージでは、プライベートクラウドからパブリッククラウドに負荷があふれることを想定する。多くの場合、これでプライベートクラウドとパブリッククラウドのバランスを取るべきだという結論になるだろう。多くの組織は、パブリッククラウドの導入には支援が必要であることを認めている。2013年に入って発表された、AttendaをスポンサーとするQuocircaの調査レポート「The mid-market conundrum」では、英国の中間市場の企業のうち、パブリッククラウドの利用に十分な備えができていると回答したのは25%に過ぎない。
大半の企業は、事業継続計画を策定して、プラットフォーム構築よりもアプリケーションの柔軟性に力を入れるために、支援を必要としている。この観点から言えば、より多くのワークロードがサードパーティプラットフォームに移りつつある。
多くの場合、使われるプラットフォームは、クラウドコンピューティング大手が提供するものになるだろうが、Quocircaの中間市場に対する調査が示すとおり、その過程ではITサービスプロバイダの支援が求められる。
ハイブリッドクラウドの導入は簡単ではないが、ゴールを目指すあらゆる企業は、これを検討する必要がある。IT資源を効率的かつ有効に活用することで、イノベーション、迅速性、競争力を手に入れることは、あまりにも重要だからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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