西日本鉄道(西鉄)は、グループで使う次期ビジネスインテリジェンス(BI)システムとして、電通国際情報サービス(ISID)のBIフレームワークを最適な状態にして組み込んだ専用機(アプライアンス)「BusinessSPECTREアプライアンス」を採用し、2014年5月から稼働を開始する予定。システムを提供するISIDが12月10日に発表した。
BusinessSPECTREは、ISIDが開発、提供しているSAPデータ連携フレームワーク。統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP ERP」に格納された業務データを素早く抽出し、「Microsoft SQL Server」に転送、SAPデータを経営分析や予算管理などの用途で活用するためのシステムになる。
西鉄グループが今回採用を決めたBusinessSPECTREアプライアンスは、BusinessSPECTREをSQL Serverアプライアンスである「Microsoft SQL Server SSD Appliance」にあらかじめ組み込んだもの。ISIDとデルが共同で提供している。
SAPデータの柔軟な分析、活用を実現できるというBIシステムを最適な性能にチューニングし、レポートやパラメータなどのテンプレートをプリインストールして提供する。機器設置後、最短3日以内に本番データでの分析環境を構築できるという。分析条件の変更や追加もノンプログラミングで実行できるため、導入後も自由度の高い戦略的なデータ活用が可能としている。
西鉄グループは、福岡県を拠点に鉄道やバスなどの運輸業を中核として不動産や流通、国際物流、ホテルなども事業として展開している。業容拡大に伴う業務データ量が増加し、事業多角化で経営管理上のデータ活用ニーズの多様化に対応するため、BusienssSPECTREアプライアンスの採用を決定した。
導入検討では約1週間の試用から経理部の事務担当者が実データでレスポンスや操作性などを検証したという。検証のため5年分の実データをコピーするなどの準備も短期間で実現できたとしている。