IBMは12月6日、複数のクラウド間で機密と安全性を保ったままデータを動的に移行するための新たなクラウド移行ソフトウェアを開発したと発表した。日本IBMが12月11日に伝えた。
開発されたのは、データ移行、バックアップ、あるいはファイル共有に用いられるサードパーティー製のプライベートやパブリッククラウドにストレージシステムがアクセスし、使用することを可能にするソフトウェアツールキット。特定のベンダーに依存することなく、顧客が選択するクラウドにファイルをドラッグアンドドロップでバックアップする、あるいは共有することを可能にする「オブジェクト・ストレージ」インターフェースを使用している。
この技術は、オブジェクトストレージにデータを重複して保存する際のスペース効率、データ同期、メタデータによる情報連携に明確に対応しており、クラウドに障害が起きると、バックアップクラウドが即座に、透過的にユーザーに対応し、データの可用性を確保する。冗長性と耐故障性を追加する斬新なアプローチを取ることにより、クラウドとクライアントの間で同期をとったりコミュニケーションをとる必要はなくなるとしている。
(出典:IBM)
この技術は、「cloud-of-clouds」(複数のクラウドが連携したクラウド)アプローチに基づいたもので、いかなる単一クラウドよりもサービス停止やデータ損失からより強力に保護することができる。これにより、複数の異なるクラウド上にデータをシームレスに保存、移動することが可能となり、クラウド採用の広がりを妨げている課題、セキュリティや信頼性、ベンダー・ロックインといった懸念の克服につながるとしている。