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バックアップこそが真のデータ保護--Acronis ベロウソフ CEO - (page 3)

大川淳 山田竜司 (編集部)

2013-12-12 12:39

--ストレージのコストが下がると、業績に大きく影響するのでは。

 世に出回るデータの量が増加する一方であり、製品やサービスのコストは下がっても、全体としての収益は上がっている。企業がITの投資額を増やせば、生産性は向上するのでコスト低減は良いことだ。


--今後、ストレージのコスト低下はどんな効用をもたらすか。

 ネットワークに付加されたストレージを使用していた時代には、ストレージにかかるコストは極めて高く、メガバイトあたりのコストがかさんでいた。さらに、テラバイト級のハードドライブを用意するとなると、それなりの費用はかかるが、すべてSAN(Storage Area Network)にすると費用は100倍になる。データ量がそれほど大きくなかった時代であれば、SANを用いることも考えられたが、これだけデータ量が巨大になっている昨今では、すべてSANに任せることになると、かなり高額になる。その点、当社のソフトウェアストレージは安価であり、テラバイトあたりコストは40%くらい下がるだろう。

常に目的意識を持たせることが重要

--エンジニアを活性化させるには、どうすれば良いか。

 常に目的意識を持たせることが重要だ。われわれのエンジニアにとっては、ストレージが1つの大きな目的になる。学んでいかなけらばならないことが多いからだ。しかも、システムが常々変わっている。新しい要素が現場に入ることで、彼らはさらにやる気が出せるようになる。新しいファイルシステムや同期の仕方、通信の方式だとか、それらが現れることは、やる気が出る原動力となる。エンジニアが楽しんで仕事ができるような環境を提供している。

 できる限り権限移譲をするよう心掛けている。各地域や事業ユニットごとに権限委譲し、各担当のジェネラルマネージャーが意思決定できるシステムを導入している。エンジニアは、どちらかといえば頑固、融通がきかないような人々が集まっている傾向があるが、高品質な製品には、その方が好ましい。彼らは、品質の低いものを外部に向けて出すなどということを決して許さない。サポートも高いレベルを維持できるからだ。

--国際的な事業展開をする上では何が重要か。

 米国、日本、EMEA、アジア太平洋、4つの地域をみると、日本は単一の国なので、言語人間関係などまったく問題はないが、そのほかの地域では複数のさまざまな国を統括していくので、各地域のジェネラルマネージャーが意思決定できるようにしている。90カ国で事業展開し、18カ国に拠点があるのだが、それ以外はパートナーから協力を得ている。彼らとの情報共有が特に重要になる。

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