IDC Japanはこのほど、2013年上半期(1~6月)の実績調査をもとに、国内クライアント仮想化ソリューション市場について分析を実施し、その結果を発表した。
2013年の国内クライアント仮想化ソリューション市場は前年比24.9%増の4555億円だった。同市場は2012~2017年の年平均成長率(CAGR)は19.7%、2017年には8978億円まで拡大すると予測した。
国内クライアント仮想化ソフトウェア市場の2013年上半期の出荷ライセンス数は前年同期比13.6%増の68万5894、2013年通年では前年比24.9%増の153万8483、2017年には230万8510まで増加すると予測。2012~2017年のCAGRは13.4%とみる。
2013年法人向けクライアント端末における仮想化導入率は24.1%、2017年には45.5%まで拡大するとした。
同市場拡大の背景には、GPU仮想化がある。GPU仮想化の実用性が高まり、2014年からCADやCAEなどでの利用が本格化するという。従来まではCADで取り扱うデータはサイズが大きく、ネットワーク転送や共有が困難であったという。
クライアント仮想化を実装することにより、CADデータがサーバサイドあっても画面転送させることでネットワーク負荷を軽減し、共有を可能にした。また近年は中国などへのオフショア開発が進み、遠隔地でCADデータを参照するケースが増加しているという。ローカルにデータを保存しないクライアント仮想化は、セキュリティ面でも有効であり、主に製造業、建築業、公共機関、教育機関、地図情報システム、医療画像分野での需要が見込まれると説明した。

2012~2017年 国内法人向けクライアント仮想化市場 稼働台数、導入率予測(IDC提供)