「ソリューション事業を民主化」
そのDellが5年前から強化しているのがソリューション事業だ。「製品の先を提供しなければならない、つまりハードウェア、ソフトウェア、サービスを組み合わせ、顧客のニーズを満たすエンドツーエンドのソリューションだ」と述べ、ソフトウェア、サービス、ソリューションでもPCとサーバで行ったような崩壊を起こすと宣言する。
Dellはこの5年間で130億ドルを投じてソリューション事業を強化してきた。結果として、ソリューション事業とサービス事業は100億ドルから200億ドル規模に成長しているという。
今後は非公開企業として、長期的視野に立ってイノベーションを起こすという。幸い、売り上げは2ケタ増、業界平均を上回るペースで伸びており「幸先のよいスタートとなった」とDell氏。同日、イノベーションへの投資としてDellリサーチ部門の立ち上げと、アーリー/グロース段階にあるベンチャー企業に投資する3億ドルのDell Strategic Innovation Venture Fundの立ち上げを発表した。
Dellが今年に入り、ソリューション戦略の要として打ち出したテーマが、トランスフォーム(変革)、コネクト(接続)、インフォーム(情報活用)、プロテクト(保護)4つのキーワードだ。4つのキーワードは顧客の課題であり、Dellの4事業部――PCを含むエンドユーザーコンピューティング(EUC)、エンタープライズ、ソフトウェア、サービスを4つのテーマに合わせて連携させるものだ。
Dell氏は4つのテーマについて、それぞれ最新情報をかいつまんで紹介した。
トランスフォーム(変革)
アプリケーションのモダナイズ、メインフレームからのマイグレーションを指し、俊敏で拡張性があり、かつ高性能な最新のオープンアーキテクチャを活用してビジネスを変革させるというものだ。
「FluidCache for SAN」
2012年春に発表した12世代のサーバ「PowerEdge」シリーズなどにより、この2年間のうち半分に相当する4四半期でシェアを伸ばした。「Software-Defined Everything(SDE)の時代、サーバは中心的存在になる。ソフトウェア、x86サーバでは僅差で2位。1位を目指して何としてでも戦う」と闘志を隠さない。
イノベーションの例として、ストレージ、ネットワーキングなどを組み合わせたコンパクトデータセンター「PowerEdge VRTX」を紹介した。想定しなかったような使い方をする顧客も出てきている革新的な製品になったとしている。
Dell氏が「ゲームチェンジングができる製品でデータセンターを再定義する」として紹介したのが、新製品「FluidCache for SAN」だ。ソフトウェアを利用したアプリケーションアクセラレーションで、「ほかのキャッシュ製品とは異なりストレージ、ネットワークなどをサーバに統合し、データをサーバの中に置くことでアプリケーションを“ターボチャージ”する」という。