Talendは12月17日、データ連携基盤ソフトウェアの新版「Talend 5.4」をオープンソースソフトウェア(OSS)として提供を開始したと発表した。商用製品も年内に販売開始を予定している。
OSS版は同社サイトから無償でダウンロード、利用できる。商用版は1年単位の保守料を含むサブスクリプションライセンスで税別190万円から。
Talendは、データやアプリケーション、ビジネスプロセスを統合して、企業内の情報資産の効率的な活用を支援する。OSS版の「Talend Open Studio」はデータ統合やマスターデータ管理、エンタープライズサービスバス(ESB)などがある。
商用版は「Talend Enterprise Data Integration」「Talend Enterprise Big Data」「Talend Enterprise ESB」がある。これら商用版をベースに課題別に用意される「Talend Platform」シリーズでは、マスターデータ管理やビッグデータなどがある。
最新版のTalend 5.4では、分散並列処理プログラミングフレームワーク「Apache Hadoop」での最新のフレームワークとして注目されている“YARN”をネイティブにサポートしている。
YARN(Yet Another Resource Negotiator)は、Hadoopのフレームワークであり、任意の分散フレームワークやアプリケーションを容易に作成できるものとして注目されている。Hadoop内でデータの抽出や変換(ETL)やデータクレンジングを実行できるという。
YARNは、分散アプリケーションからメモリやCPUといったリソースを要求するためのハンドリング、スケジューリングして実行を監督するためのAPIなどを提供する。「MapReduce」の後継としてバイナリ互換を保持しており、「MapReduce 2.0(MRv2)」とも呼ばれている。
Talendの開発ツール「Talend Studio」も機能が拡張され、MapReduceジョブの実行性能を本番環境で稼働させる前にGUI上で最適化できるという。HadoopのセキュリティフレームワークであるKerberos認証もサポートしている。