もし衰退すると考えるならば、5年も準備期間があれば「なんとか」なる。なんとかするためには3年後どうなっておくべきか、そこをしっかり考えた方がいい。新たなスキルを身に付けるのか、転職するのか、それとも起業するのか。具体的なキャリアパスを検討する。このキャリアパスは自分が実施するものなのでコントロールすることが可能だ。だからしっかりと検討する。
このようにして全体像と計画を作成し、自分のキャリアパスを作っていく。プレッパーにならず、時代に翻弄されず、自分の力で道を切り開けるようになるだろう。
メンターを見つける
目的と海図ができても進むべき方向が間違っていては道を誤ることになる。航海には自分の進むべき道を示してくれるコンパスが必要だ。自分が進むべき道を先行する人を見つけ、指導してくれるメンターを見つけることを勧める。
メンターは社内の中に見つけてもいいし、社外に見つけてもかまわない。1人だけでなく複数いてもよい。自分を成長させてくれると思う人にメンターになってもらう。見つけ方はSNSが発達した時代なので、メンターになってほしい人に思い切ってアポイントを取ってみればいい。もしくはその人が出席するイベントに出向いてみるのもいいだろう。
ただ、会うのは相手の都合もあり難しいというのももっともだ。それならば、SNSでメンターと見立てた人のアカウントをフォローし、その人の行動を真似するとよい。発言を見るのではなく行動を真似するのだ。その人がどんな人たちと会い、どんな本を読み、どれだけ学んでいるのかを知り、メンターの行動をコンパスにするといい。
労働に求める価値を明確にする
ただ漠然と働くのではなく、何のために働くのか。それを考えてみるといいだろう。ITの発達によって働き方の選択肢が増え、労働に対する価値観も多様化している。より大きな舞台で活躍したいと思うのか、実はそうではなく、質素でも温かい家庭を維持するための手段にすぎないのか。出世と収入を得ることだけが働く意味ではなくなっている。
そして、その会社の中にどんな価値観の人が多数を占めているのかを考え、自分の持っている価値観と近い企業に就職する。それが会社の文化を形作るからだ。自分の価値観と異なる文化の企業で働くことは大きなストレスを抱えることになるだろう。
自分の価値観と合う企業選び。これもこれからの働き方の重要なポイントとなるだろう。既に多様な価値観に基づいた働き方を求人の武器にする企業も現れている。
後編も自分軸について考える。
- 大元隆志
- 通信事業者のインフラ設計、提案、企画を13年経験。異なるレイヤの経験を活かし、技術者、経営層、 顧客の三つの包括的な視点で経営とITを融合するITビジネスアナリスト。業界動向、競合分析を得意とする。『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。
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