米政府、NSAの情報収集について憲法判断しないよう裁判所に要求

Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ)

2013-12-24 12:23

 Barack Obama政権は裁判所に文書を提出し、米国政府による令状なしの監視プログラムが合憲であるかどうかについて連邦判事が判断しないよう求めた。

 米政府は、米国時間12月20日遅くにカリフォルニア州北部地区連邦裁判所に2通の文書を提出した。政府はこの中で、米国家安全保障局(NSA)が米国民のインターネットや電話から大量のデータを収集したことについて、2001年9月11日のテロ攻撃から1週間後に、当時のGeorge W. Bush政権によって承認されたものであることを初めて認めた。

 「Bush大統領は、およそ30日から60日ごとに承認状を発行していた」と、米国家情報長官のJames R. Clapper Jr.氏は記している。「細かい条件は徐々に変わっていったが、大統領の承認を得るには、米国内におけるテロ行為の発見および防止という任務を確実に達成できる限りにおいて、米国市民に関して収集する情報を最小限にすることが求められた。また、NSAは、大統領から承認されたこの活動について内部的にさらなる制約を加えていた」

 Clapper氏はまた、NSAの元契約職員Edward Snowden氏による最近の数々のリークにもかかわらず、NSAによる監視およびデータ収集プログラムについてこれ以上の事実が裁判で明らかにされれば、政府の安全を危険にさらす恐れがあるというのが米政府の主張だと述べている。

 「原告の申し立てによって、NSAによる諜報活動の範囲および運用の詳細に関してまだ機密扱いとなっている情報が公開されれば、米国の国家安全保障にとって極めて重大な損害をもたらす可能性がある」(Clapper氏)

 米司法省は、法廷における情報の利用を阻止できる国家機密特権を引き続き行使できると主張し、米連邦地裁のJeffrey S. White判事に対して、監視プログラムが米国憲法修正第1条および第4条に違反しているかどうか判断を下さないまま訴訟を棄却するよう求めている。裁判所はこれに先立って、Snowden氏によるリークが国家機密特権の発動にどう影響したのか評価するよう政府に命じていた。

 電子フロンティア財団(EFF)をはじめとするこの訴訟の原告らは、2014年1月末までに対応を決める必要がある。

 EFFの法務責任者であるCindy Cohn氏は、声明の中で次のように述べている。「政府は、2013年6月、あるいは2005年12月以前にまで時計の針を戻そうとしているかのようだ。だが、米国の人々は、自分たちの通信記録がNSAのさまざまなプログラムの下で政府によって吸い取られていることを知っている。スパイ行為が米国民にどのような影響を与えるのかという基本的事実をいまだ秘密にしたまま、不特定の人々から通信内容やメタデータを大量に収集していた件に対する司法審査を政府が阻止しようと試みているのは、言語道断であり、残念なことだ」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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