スマートフォン利用者が全世界で10億人を超える中、ソーシャルメディアを利用してモバイルコンテンツを展開するマーケティングが発達し、ブランドがファンを引きつけ、取り込み、顧客に変えていく手法に革新がもたらされた。このトレンドは、ますます強まっている。ドイツの調査会社GfKによれば、東南アジアでのスマートフォン販売台数は4220万台超(金額にして110億ドル以上)に達した。モバイルの時代は、間違いなくやって来る。
人々は常に携帯電話を持ち歩き、連絡を取り合っている。このプラットフォームを理解し、長期的な顧客獲得に成功するのは、全種類のモバイル機器を通した顧客体験に関わろうとする意思を持ったブランドだろう。
Dan Neary, Vice President, Facebook, APAC
Asia Digital Marketing Associationが発表した、「Asia-Pacific Digital Marketing Yearbook 2012」に掲載された統計で、テレコムセクタ調査のPyramid Researchは、2017年のアジア太平洋地域におけるモバイル契約普及率は109%に達すると予想し、その成長の大部分は中国やインド、インドネシアで起こるとみている。
調査会社emarketerは、アジア太平洋地域のモバイルインターネット利用者数が、2015年までに12億2000万人まで拡大し、モバイル向けインターネットの普及率は42.1%に達するとしている。視聴率調査企業のNielsenが行った調査では、回答者の5分の2強が、モバイル機器上のビデオ広告やバナー広告に最も信頼を置き、また35%が携帯電話を通じたSMS広告を同じように信頼していることが分かった。
顧客との「つながり」をつくる
Facebookでは、すべてのモバイル機器をよりよくする鍵に、本格的なソーシャル機能が望まれると確信している。ソーシャルネットワークは、人と人とがかかわり合う方法を変化させ、ブランドには最も強力なマーケティングツールのひとつである口コミを利用する好機をもたらした。モバイル社会は、ブランドが常に顧客にアピールし、顧客とつながり続けるための大きなきっかけを提示している。
ブランドの中には、モバイル社会に警戒感をもつ動きもある。しかしブランドは、モバイル社会が、新たに巨大な創造的ステージを提供すると認識するべきだろう。モバイルが消費者とのつながりを発展させるのは、自然な流れだ。RedbulやStarbucks、Samsung Mobileなどのブランドが、インパクトを作り出すための主要な柱としてソーシャルメディアを利用している。
実際に、Samsung Mobile USAは、Galaxy SIIIの発売に向けたデジタル戦略の中心にFacebookを据え、デジタル戦略の30%を集中させることで、3週間に1億500万人のユニークユーザーを呼び寄せることができた。同社は、リーチブロック広告、ターゲットブロック広告、ログアウト時に表示されるビデオ広告、ニュース配信の中のページポストアドを利用し、同社のファンやその友人、モバイル市場の中の消費者に焦点を合わせていったのだ。