富士通は12月24日、農業生産者向けSaaS「Akisai(秋彩)」のラインアップ拡充を発表した。同社は2012年7月から露地や施設での栽培、畜産を対象にしたSaaSとしてAkisaiを提供している。
今回のラインアップ拡充では2014年1月から、「農業生産管理SaaS 生産マネジメントライト」「農産加工販売SaaS」「農業会計SaaS powered by GLOVIA smart きらら」を提供する。これとは別にビッグデータから“栽培暦”を導き出すSaaSも4月から提供する。
農業生産管理SaaS 生産マネジメントライトは、従来提供していた農業生産管理の機能をベースに小規模農家向けに機能を限定したエントリ版として提供する。コスト集計や作業実績などデータを分析できる。税別価格は1ユーザーあたりで初期設定が1500円、月額料金が1500円となっている
農産加工販売SaaSは、農業法人や食品製造業向けに仕入、加工から販売業務までを管理する。受け入れから出荷までをリアルタイムに在庫を把握することで販売状況を適切に管理できるという。税別価格は標準セットアップサービスが80万円、月額の基本サービスが10ユーザーあたり10万円となっている。
農業会計SaaS powered by GLOVIA smart きららは、すでに提供されている「経営管理SaaS」に加えて、四半期決算、農業以外の多角事業に対応する経営管理を求める農業法人向けに提供する。富士通の会計業務アプリケーションの「GLOVIA smart きらら 会計」のノウハウをベースに肥料代や重機代、燃料代などの農業特有の勘定科目を標準で提供する。税別価格はライトプランで1ユーザーあたり月額料金が1万5000円から、となっている。
4月から提供するSaaSは、温度や湿度などの環境データ、農産物の栽培状況や品質結果といった生育データ、いつどこで何を行ったかといった作業データを組み合わせて、品種や地域、ブランドごとに最適な栽培歴を導き出すことを支援する。農業生産者や自治体、流通、加工、卸といった農業関連の集約者向けに、安定収量化や高品質化、ブランド化など目的にあわせ独自の栽培暦を作成できるとアピールした。
栽培暦の最適化支援におけるシステムのイメージ