
1980年代までに、オフィスは現在の姿にぐっと近づいた。
PCの登場によって、コンピュータは地下の巨大なマシンルームを後にし、机の上にやって来ることになった。
「IBM PC」(写真左側)や「Commodore 64」「Macintosh 128K」といったパーソナルコンピュータによって、知識処理の方法に大きな変化がもたらされた。
1981年8月にIBM PCが登場する少し前まで、IBMのコンピュータは900万ドルもすることが珍しくなく、空調設備が完備した4分の1エーカー(約1011平方メートル)ほどのマシンルームで60人の要員によって稼働、維持されるという場合もしばしばあった。一方、IBM PCは1960年代のメインフレームよりも高速に情報を処理でき、価格は1600ドル未満であった。
しかし、当時のコンピューティング技術は、現代の標準的なものと比べると未熟なものであった。1980年にはハードディスクの価格が1Gバイトあたり、今日の物価換算で12万ポンド(約2000万円)もしたのに対して、現在では5ペンス(約8.5円)程度となっている。
1983年には、世界最初の商用携帯電話であるMotorolaの「DynaTAC 8000X」も発売された。通話時間は30分であり、LEDディスプレイを搭載しており、30件までの連絡先がメモリに格納できた。バッテリがすぐになくなるこの無骨な携帯電話は、マネージャーらによって採用され始めた。
また1980年代には、ファックスやプリンタ、プッシュホンもオフィスに導入され始めた。
提供:Nick Heath/ZDNet