企業のIT環境は2014年にどのように変化していくのか。主要IT企業の動きは1つの鍵を握る。各社が発表した年頭所感を集めた。
日本オラクル 執行役社長 デレク・ウイリアムズ氏
2013年はビッグデータの活用が実用段階に入り、マーケティング、販売促進、ヘルスサイエンス、社会インフラ、消費者向けサービスなど、さまざまな領域で具体的な事例が数多く紹介された。現在も世界で90億個の情報端末からデータが発生し続けており、インターネットを介して蓄積されるデータ量は爆発的に増加している。こうした状況下で注目されている考え方が「Internet of Things (IoT)」だ。2020年までにインターネットに接続された情報端末は500億個に上ると推測されており、IoTの機運は高まっている。
オラクルは、継続的な研究開発により最先端のIT技術と革新的な製品を社会に提供し続けることで「Internet of Things」の普及を推進し、情報活用の高度化によって事業成長を支えてゆく。このような環境において、顧客のイノベーションをITの側面から加速させるため、日本オラクルは2014年、クラウドやEngineered Systems、各業界に最適化されたITの構築、IoTなどに注力する。
SAPジャパン 代表取締役社長 安斎富太郎氏
2014年、SAPジャパンは引き続きクラウドファーストを推し進めるとともに、SAPのインメモリデータベース「HANA」を核にすべてのアプリケーションをリアルタイム化、成長時代のITに求められるあらゆるニーズに「速く=Speed」「柔軟に=Flexible」「シンプルに=Simple」お応えできる製品ポートフォリオと導入オプションをご提供できる世界唯一の企業として、お客様の成長とイノベーションに貢献する。
日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口 泰行氏
日本マイクロソフトは2013年、「デバイス&サービスの会社」への変革という方針を掲げ、デバイスとクラウドサービスを提供していくためさまざまな変革を全社を挙げて推進した。デバイスビジネスにおいては、PCとタブレットの境目がなくなっていく中、タブレット競争は第二幕へと進んでいくと考えている。Windowsを軸にパートナー企業とのエコシステムを一層強化し、社内営業、サポート体制、アプリ開発支援体制も強化している。
4月にはWindows XPとOffice 2003のサポートを終了させる。日本において、「4月時点におけるWindows XP搭載PCのインストールベースが10%未満」を目標に掲げる。
クラウドサービスの分野では、クラウドとオンプレミスの組み合わせ、どちらでも選択できるハイブリッド型の提案が、日本の顧客に高く評価されている。「Windows Server 2003の2015年7月のサポート終了」に向けて、企業情報システムのクラウドへの移行が加速すると見込まれている。2013年5月に開始したクラウドデータセンターでは、Windows Azureに関して、グローバル展開の中で、日本国内の関東と関西の2カ所に開設、国内で互いにディザスタリカバリ先として機能する。2014年前半のサービス開始を予定している。