アナリストの視点

キラーコンテンツはバイタルデータ、2016年に1億台--スマートウォッチの未来 - (page 4)

賀川 勝(矢野経済研究所)

2014-01-07 07:30

今後の展望

 2014年から数年は、多くの企業からさまざまなコンセプトを持ったスマートウォッチ製品が市場導入され、新しい技術を取り込み、最適なビジネスモデルを構築しながら熟成されていくものと考えられる。結果的にコンセプトと機能の集約化が進み、販売力とスマートフォンとの連携性能に勝るスマートフォンメーカー各社がリリースする製品が主流になるものと予想する。

 今後動向の鍵を握るのは、やはりAppleの存在である。Appleが導入を計画しているとされる、いわゆる「iWatch」が、優れたデザインとビジネスモデルによって既存のスマートウォッチの概念を根底から覆し、かつiPhoneやiPadとの連携によって新しい価値観を生み出せば、スマートウォッチ市場の趨勢を大きく変える存在になる可能性を持つ。

スマートウォッチを含むウェアラブルデバイスへの期待は大きいものの、現在の市場が見る目は冷ややかである。新しいカテゴリの製品は提案型となるケースが一般的だが、スマートウォッチは普及へのシナリオがいまひとつ見えにくいプロダクトである。スマートウォッチはスマートフォンと同様、競合他社に先駆けていち早くビジネスモデルを描くことができた企業が、市場の主導権を握ることになるのではないだろうか。

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賀川 勝
株式会社矢野経済研究所 情報通信・金融事業部(YanoICT)上級研究員 

矢野経済研究所 情報通信・金融事業部(YanoICT)のURL

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