--シスコシステムズ自体の働き方は変容していますか。
ワークスタイルの改革という点では、シスコシステムズは国内で最も先進的な企業と自負している。当社のワークスタイルで言えば、例えば女性が活躍しやすい環境を考えれば、育児のため在宅勤務が重要になる。介護の問題でも大きな意味を持ってくる。当社では従業員にとっての権利ではなく、オプションとして在宅勤務が可能だ。どうしても出勤できない場合は選択すればいい。働く場所は問わない。
--どのような組織を目指しているでしょうか。
「オーケストラ型組織」を目指していきたい。組織を論じる場合「野球型」「サッカー型」などが挙がる。野球はスリーアウトで攻守が入れ替わる非同期型。一方、サッカーは皆が縦横無尽の動きで戦い、ダイナミズム、リアルタイム性がある。
これまでは、サッカー型を目指すべきと言われてきた。しかし、サッカーは1ゲームで3人しか交代できないので、十分ではない。オーケストラでは、大勢が同じ楽譜を共有しているにもかかわらず、一人ひとりが別々のパートを担当している。各自は自分のパートだけを担い、指揮者が全体を統括する。指揮者は唯一音を出さないメンバーでもある。
オーケストラ型の組織を作れば、ワークスタイル革新につながり、経営を強くできる。それは共通の価値観で結ばれていてこそできる。共有、共感は当社の企業文化だ。