成長企業ほどオープンソース活用に積極的--IDC

山田竜司 (編集部)

2014-01-08 16:12

 IDC Japanは1月8日、国内企業のオープンソースソフトウェア(OSS)の利用実態に関する調査結果を発表した。OSSを本番環境で利用している企業は増加傾向にあり、IDC Japanは、OSSの活用に積極的な企業には成長企業が多いとの見解を示した。

 国内の企業や組織を対象とした1次調査では、自社の情報システムにおけるOSSの導入状況について、OSSを「本番環境で導入している」と回答した企業は32.0%となり、2012年12月に実施した前回調査の25.3%よりも6.7ポイント増加した。「導入する予定はまったくない」「今後の予定は分からない」のポイントは今回調査で減少したという。

 産業分野別のOSSの導入状況で「本番環境で導入している」が30%を超えたのは、公共/公益(44.8%)、情報(38.7%)、運輸/サービス(35.8%)だった。また、従業員規模別でみると、従業員1000人以上において「本番環境で導入している」が40%を超えた。

 2次調査では、OSSを導入している企業にOSSの利用実態を聞いた。OSSに関する予算を増加している企業の64.8%は、その企業の売上高も増加し、そのうち26.1%は売上高が10%以上増加したという。また、IT戦略においてOSSの活用に積極的な企業の44.4%は売上高が増加。その約半数の企業は売上高が10%以上増加し、ほとんど変わらない企業は28.3%、減少は21.3%だった。IDC Japanは「OSSの活用に積極的な企業にはビジネスが成長している企業が多い」と説明している。

無償版MySQLの利用が最多

 OSSのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の利用状況については、ユーザー企業の場合、MySQLの無償版の利用率が34.8%と最も高く、ポータルサイト、SNSなどを提供するサービスプロバイダでは、PostgreSQLが41.5%と最も高い利用率となった。

 企業の従業員規模別には、従業員1000人以上の企業では、MySQLの商用ライセンス版の利用率が39.8%と最も高くなるという結果が出た。

 OSSのデータ分散処理ソフトウェアであるHadoopの利用状況については、ユーザー企業で利用しているのは1.5%、それに対してサービスプロバイダーでは12.5%。Hadoopの使用目的について聞くと、「バッチ処理」「システムログの管理や解析」 「ストレージやデータ保存」が多く、サービスプロバイダーでは検索やインデックス作成、ウェブログの管理や解析が多かったとしている。

 調査は、国内の企業および組織を対象としたアンケート調査を2013年11月に実施し、1次調査で1138社、2次調査で515社から有効回答を得た。


OSSの導入状況:2013年調査と2012年調査の比較(IDC提供)

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