2014年、世界各地の記者が考えるテクノロジトレンド - (page 3)

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-01-10 07:40

Steve Ranger記者:(ユーザーが好むと好まざるとに関わらず)ウェアラブルデバイスが主流になる

 誰もがスマートフォンを持っており、タブレットは値崩れし、消費者向けの大手テクノロジ企業は、次に収益源になるものを見つけようとしている。そんな中、2014年には、ウェアラブル技術(眼鏡、ウォッチ、その他)を魅力ある、便利な消費者向けデバイスに仕立て上げるという試みが見られるだろう。これまでに世に出たデバイスは、よく言っても「興味深いが欠点が多い」と言ったところだった。機能は限定的で、デザインもいまひとつであり、バッテリ持続時間も短かった。そして、これまでのデバイスは、ハードウェアメーカーによって、あまり興味を示さない大衆に無理に押しつけられていた。しかし、それらのデバイスは、健康状態のモニタリングやスマートフォンを取り出さなくてもメッセージをチェックできるようにするなどの、目的とする機能は実現していた。2014年には、これらのデバイスが改良されるはずだ。また、Appleが考えを完全に変えていなければ、ひょっとすると「iWatch」が登場するかもしれない。スマートウォッチを成功させ(これまで多くの企業が失敗してきた)、ウェアラブルデバイスの時代の幕開けを作ることができる企業があるとすれば、それはAppleである可能性が高い。

Jo Best記者:通信業界の大きな変化

 2013年は、通信会社を売買する大企業の例に事欠かない年だった。ドイツのE-Plus、英国のVirgin Media、チェコのO2は、新たなオーナー企業を得た通信会社の例だ。こういった変化は、今後も続く可能性が高い。英国のEE、オランダのKPNは2014年中に新たな親会社を見つけるだろうし、系列企業だったこともあるVodafoneとAT&Tは、欧州で公然と買収企業を探している。ネットワークの面では、2013年がLTEが主流になった年だとすれば、2014年はその後継技術であり、フランス、ドイツ、英国での試験運用が始まるLTE-Aの年になるかもしれない。そして、2013年をNokiaの携帯電話端末事業の終わりの年とするなら、2014年は欧州で違うやり方を恐れない新興モバイル企業が成熟する年になるだろう。

Jason Hiner記者:コンテクスチュアルコンピューティングの台頭

 テクノロジは、あなたが想像する以上にあなたのことを知っている。一部の例では、テクノロジはあなたが自分について理解しているよりもあなたについて知っているほどだ。しかしこれが一部の人を恐怖させており、2014年にはこれまで以上に多くの批判が出てくるだろう。とはいうものの、コンテクスチュアルコンピューティングは恐ろしく便利で効率的であり、2014年には多くの人がこれを望んで使うようになるはずだ。

 コンテクスチュアルコンピューティングとは、技術的なツールが、ユーザーが使っているさまざまなデジタルサービス、位置情報、利用行動の履歴などから、ユーザーについて三角測量をするものだ。そして、必要な時に、あるいはユーザーが必要だということを知らない時にさえ、ユーザーに合った情報を提供する。この技術は、ユーザーのニーズを予想する(これによって、すべての夫はさらに怠け者に見えるようになるかもしれないが、それはまた別の議論だ)。

 2013年に登場したコンテクスチュアルコンピューティングの好例が、「Google Now」だ。筆者は2013年中にGoogle Nowについて何度か記事を書いており、2013年のAndroidの「キラーイノベーション」2つのうちの1つに挙げたこともある。これは、大規模にビッグデータの力を示した、最初の消費者向けアプリだった。2014年には、コンテクスチュアルコンピューティングを便利かつ恐ろしい形で利用した製品やサービスの試みが、数多く登場するはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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