高見の見物を決め込むVerizon、蚊帳の外におかれるSprint
加入者数で首位のVerizon Wirelessは、T-MobileとAT&Tとのこの派手なやり取りを面白がって眺めながら、その実どこかT-Mobile側に肩入れしているようなところも見受けられる(敵の敵は味方、といったところか)。
VerizonはLTE網展開の第1段階がほぼ完了し、現在では第2段階のキャパシティ増強に力を入れている状況で、LTE加入者数でも他社を大きくリードしている。また、今週初めにはT-Mobileとの周波数帯譲渡、交換の計画も発表していた。
「都会の外ではまったく使えない(電波が捕まらない)」という評価が付きまとうT-Mobileとしては、この取引で手にする700MHz帯Aブロック(日本のプラチナバンドと同様の利点がある)を使って、大きな弱点である地方のカバー率を上げることが可能になるともされている。
・T-Mobile buys Verizon wireless spectrum in $3.3 billion deal - CNET
それに対して、Sprintの方は「まだまだ動きたいようには動けない」といった状況にも見える。LTE網展開で後手に回っているのがその原因で、「肝心のネットワークが整うまでは、積極策の打ちようもない」といった方がいいかもしれない。ただし、米国時間1月7日には同社の高速通信サービス「Spark」――「下りの通信速度が最大60Mbps」を売りとするサービス――が合わせて11の市場で使えるようになったとの発表があり、また家族割りの対象を友達にまで広げたような新割引プラン「Framily(Family + Friend)Plans」――1グループ最大10人まで、1人あたり月額5ドルをグループ全員に値引き――というのも発表されていたので、同社でも攻勢に転じられるだけの態勢が整ってきた可能性も考えられる。