モーター専業のマブチモーターは世界共通でSaaS型の顧客情報管理システム(CRM)「Microsoft Dynamics CRM Online」を導入し、営業案件管理を効率化させている。日本マイクロソフトが1月10日に発表した。
マブチモーターは現在、日本、中国、台湾、韓国、シンガポール、欧州、米国の7カ
国10カ所の販売拠点と、中国やアジアに12カ所の生産拠点を持っている。AV機器向け市場では多くのコピーメーカーが登場し、技術革新から市場規模が急激に減少。現在では、自動車向け部品としてのモーターの製造、販売が売上高の6割となっており、自動車向け部品の次の柱となる新用途、新市場を見つけることが課題となっていた。
営業情報の共有フロー(マイクロソフト提供)
2012年夏に営業案件管理業務の改革プロジェクトを立ち上げたマブチモーターでは、CRMの導入を決定した。従来グループウェアで実施していた情報共有をCRMに置き換え、毎日の営業プロセスを数値で具体的に管理できるようになり、営業部員の意識改革につながったという。。
また、導入後は「営業社員が顧客に対していつ何を働きかけたか」といったやり取りの情報を共有。商談の段階を明確にしたパイプライン管理で「どのようなステップを通過すれば成功につながるか」といった暗黙知を明確化、共有し、営業社員の意識改革を実施したという。
マブチモーターはDynamics CRM Onlineを選定した理由として、コストパフォーマンス、機能拡張性、導入事例の豊富さなどを挙げた。SaaS型であることから、グローバル規模での営業改革を低コスト、短期間で実現できたという。2013年3月にパイロット導入を開始してから、半年後には全世界12拠点への導入を完了、現在では全世界のセールスエンジニアを含むすべての営業社員と、営業スタッフ部門の一部の社員が利用していると説明した。
今後は営業を起点とした部門横断的な業務プロセス改革や顧客や製品競合などの情報管理を推進するという。