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モノのインターネットの衝撃

クラウドとHANAを車の両輪に、スピードと柔軟性を提供--SAPジャパン 安斎社長 - (page 2)

大川淳 怒賀新也 (編集部)

2014-01-16 09:06

データサイエンティストの不足は課題

--アナリティクス(分析)への取り組みは、どう進めますか

 SAPは、予測分析技術で実績のあるKXENを買収し、分析技術も備えている。今後、IoTを進展させるために特に比重が大きくなってくるビッグデータも、HANAで解析することは可能だが、データ解析には切り口が要点となる。膨大なデータから、どの期間のどんなデータを取出し、どの角度からみて、その結果、何を探し出したいのか。それらを実現するためには、データサイエンティストが必要になる。しかし、データサイエンティストの人数は意外に少ないため、ビッグデータ解析ができるIT環境はあるのに実際にはできないという例は多い。

 だが、KXENであれば、自動解析機能があり、データサイエンティストなしでも解析できる。この点への反響は大きい。データサイエンティストの育成は大事だが、時間がかかる。スピード感をより重視する企業であれば、KXELの威力は大きい。SAPはデータ解析の分野でも一貫しており、M2Mを提供できる品ぞろえはできている。

--自動解析機能の精度はどのようなものでしょう

 ビッグデータ解析は、データサイエンティストの力量にかかっているところが大きい面があるが、試験的にサンプリングなどもしている。どこまでの精度が求められるのかは、何が目的なのかで決まってくる。例えば、医療は限りなく100%に近くなければならないが、90%、70%で済む領域もある。市場予測であれば、80%程度あれば、ある程度の戦略を練ることはできる。データ母数、解析頻度も、何に使うかで変化してくる。iPadに経営指標などの情報を出せる「コクピット」というものがあるのだが、その中身は経営者により千差万別だ。

 製造業であれば、需給管理を見たい、あるいは各地の販売実績をみたい場合もあるなど、業種、業務により、見たいものは異なる。そこで、iPad上に複数のコクピットを設け、顧客に示しながら取捨選択をしている。分析結果は、角度、期間で異なってくる。データサイエンティストの存在は重要なのだが、絶対数が少ないのが現実だ。

先進マーケティング手法は、スマートシティにつながる

--SAPは流通向けにも積極的になっています。

 小売り向けのシステムは、引き合いが多い。ワンツーワンマーケティングを可能にする製品「SAP Precision Marketing」は、スマートフォンなどの画面に買いものリストが表示され、まず備忘録のように使う。店に着くと、過去の購買履歴データを参照して売り場を教えてくれたり、お買い得情報などを表示する。

 ある程度の買い物のサンプル、パターン示すといったことができる。カナダのモントリオールでは、市の交通局が試験的にPrecision Marketingを採用し、個人の好みや履歴にあわせてパーソナライズされた情報を、リアルタイムにスマートフォンに送信している。広告を出してくれている商店、グリーン化推進のため手を組んでいる交通関連のパートナー、市内で開催される各種イベントの主催者などと連携、これらパートナーと、外出先にいる消費者を直接結び付けることを図った。

 町のシアターの割引券をくれたり、イベントのお知らせが送られてくる。町で買い物するとポイントが付き、町の店の連合会で使える。地下鉄に乗れば、車を使わなくて済むので、二酸化炭素を減らせる。そこで、地下鉄に乗った回数に応じ、緑の樹木が画面に表示される。それが10本貯まると、クーポンが付く。CO2を減らせるのにどれだけ役立ったかが分かるわけだ。その背後では、クラウドが動いており、HANAを基盤としている。

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