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「異花受粉」が鍵--TeslaとSpaceXのマスクCEOが語るイノベーション - (page 3)

末岡洋子

2014-01-21 07:30

「もう終わり」と思っていた――TeslaとSpaceXの危機

 そんなMusk氏にも危機はあった。リーマンショックが世界を襲った2008年末、Musk氏は財務的に非情に苦しい時期を迎えていた。折しもGeneral Motorsなどが破産という事態にあり、ベンチャーのTeslaに出資しようなどというところはなかった。外部からまったく調達できない――Musk氏は最後の選択肢として自身の資産をすべて投じることにした。友人でもある社内の他の幹部数人がこれに応えて残りの資金を出すことで、なんとか危機を回避したという。クリスマスイブの午後6時のこと、あと数日遅れていたら破産、まさに危機一髪だった。

 「たくさんのドラマがあった」とMusk氏は振り返る。とはいえ、現代のカリスマでありヒーローだ。苦境にあってもイノベーションを信じる起業家というイメージを抱くわれわれを代弁して、Kirtpatrick氏が「会社が生死を分ける危機状態にあっても、イノベーションを信じていたでしょう?」と問うと、Musk氏はこれを否定。

 「いや、言うならば、死なないためのイノベーション」と苦笑した。「でも、自身の資産を投じたってことは、自分がやっていることへの確信、イノベーションに対する確信があったからじゃないの?」と再度問い詰められると、「それは言い過ぎだと思う」「(本当に)もう終わりだと思っていた」とあっさり切り捨てる。

 われわれが一方的に抱いている「偉大なイノベーター」像への期待を裏切ることも恐れなかった。危機を乗り越えてきたからこそ冷静に自身や他人を見ることができるのかもしれない。

 「イノベーションは精神的にも疲れるもの」と認めながら、Musk氏は対策の1つとして業界をまたいで「異花受粉」しているとも明かす。その1つが、TeslaのModel Sで用いたアルミニウムボディやジョイント技術で、航空業界で学んだことをTeslaで応用したという。一方で、SpaceXの製造トップには自動車業界の幹部を起用していることも明かした。

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