伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は1月21日、クラウドインフラのリソースを自動的に管理する“クラウドネイティブアプリケーション”の開発を開始したと発表した。
クラウドネイティブアプリケーションは、業務システムが取り扱うデータ処理の件数や種別に応じてクラウド環境の各種のリソースを制御する。CPUやメモリなどのインフラの負荷状況ではなく、アプリケーションの処理量や処理方法でITリソースを制御することで、よりアプリケーションの稼働に応じたインフラを確保できるという。
第1弾として、アプリケーションが稼働するプラットフォームにオープンソースのクラウド基盤構築管理ソフトウェア「OpenStack」を採用。データ量や計算方法に応じてシステム負荷が大きく変動するバッチ処理などを行うアプリケーションを開発する。
バッチ処理部分は、ノーチラス・テクノロジーズのバッチアプリケーション開発用フレームワーク「Asakusa Framework」と連携した、高速データ処理のアプリケーションを開発する。Asakusaは、分散並列処理プログラミングフレームワーク「Apache Hadoop」をベースにしている。
クラウドネイティブアプリケーションのイメージ図(CTC提供)
CTCは、クラウド間やデータセンター間のサービス連携をソフトウェアで効率的に管理するITインフラ基盤を“Software-Defined Infrastructure(SDI)”というコンセプトで推進している。同社では、クラウドネイティブアプリケーションをSDI環境に最適なアプリケーションと位置付け、自社クラウドサービスへの応用も含めた開発を進めていくという。
開発プロジェクトは経済産業省の2013年度産業技術実用化開発事業費補助金を受ける。成果物はオープンソースとして公開され、国内クラウド開発の活性化に貢献するとしている。