アナログな意思疎通が効率的な事業構造を支える--e-Janネットワークス 坂本代表 - (page 3)

山田竜司 (編集部) 大川淳

2014-01-23 07:30

--年に40回以上のバージョンアップは開発側に負担が大き過ぎることはありませんか。

 「チケット駆動開発」を駆使しています。何か課題があればチケット化して、どのくらいのプライオリティで解決するかを検討します。サポートや営業に上がってきた問題をすべてチケットにして把握し、原則的にはすべてに対応しています。

 チケット管理はデータベースにして可視化しているので、課題は共有し、開発、技術、サポート各部のコミュニケーションができています。バージョンアップの回数は一見多いように見えますが、リビジョンアップとアップデータ、修正パッチを含めた数です。

業務には依然PCが不可欠

--スマートデバイスはPCに取って代わるでしょうか。

 PCは価格がかなり安くなっている一方で、営業の最前線では文書作成が必要であるため、PCは残ると考えています。

 タブレット端末をビジネスシーンで利用する場合、出力結果を出さなけれならない側と、承認すればいいという側とでは仕事が異なります。スマートデバイスは承認系の人々には便利ですが、資料文書作成するのは結構大変です。作成の仕事はPCで、承認系の仕事はスマートデバイスでということになります。だから、CACHATTOは経営層やマネージメントなど承認系の人に特に評価されているのです。

--安全な環境を用意するのにはVDIも有力と言われています

 仮想デスクトップ(VDI)を導入する企業もありますが、VDIは高価であり、通信環境が不安定なところでは使えません。ウェブはちょうど中間にあり、決済のデータベースでも、ウェブ化すればスマート機器で見るのは簡単です。

安全、導入容易なシンクライアントを実現

--技術と経営はどんな関係にあると思いますか。

 技術の観点で意志決定をしていると、顧客からかけ離れたものになってしまう。製品は使ってもらわなければ意味がありません。

 さまざまな端末が出るたびに実施する新しい端末テストは、検証チームを設け、系統立てて実行しています。端末だけでなく、社内システムともCACHATTOはつながるので、IBMの「Notes」などへの接続も検証しなければなりません。端末ごとのユーザーインターフェースの改善も必要です。

--今後実行していきたいことはなんですか。

 2014年は、広帯域化への対応、英語版マニュアルの作成、ユーザーインターフェースの多言語化、グローバルサポートセンターの設置などを実施したいです。先日、「CACHATTOデスクトップ」を発表しました。インストール型のアプリケーションで、パソコンをCACHATTOの端末として使えるもので、Officeファイルを編集でき、データは端末に残りません。デスクトップ版を出すのは、BYODが可能で、低コストで簡単導入ができるシンクライアントが必要だと思うからです。

 従来は「CACHATTOネットワークサービス」で社内のシステムにアクセスすることはできましたが、クラウドにも対応し、CACHATTO自体が認証システムのようになってきています。将来的には認証ゾーンを設け、ゾーン内に入れば、自由にデータを見られるなど、認証されたキーとなるデバイスから、PCなど手近にあるものに対し、認証情報を引き渡せるようにしたい。CACHATTOデスクトップで安全領域を確保し、権利の引き継ぎをするために、認証済みのメイン端末を1台決め、認証のためのトークンを発行する。認証を手近な端末に引き継げば、仕事ができる環境を作れるようにしたいです。

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