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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、日本オラクルの執行役社長兼最高経営責任者(CEO)であるDerek H Williams と、シスコシステムズの岩丸宏明 公共・医療担当ソリューションアーキテクトの発言を紹介する。
「日本オラクルのトップとして、非常に誇りを持っている」 (日本オラクル Derek H Williams 執行役社長兼CEO)
日本オラクルのDerek H Williams 執行役社長兼CEO
日本オラクルが先ごろ、データベースサーバ専用機の最新版「Oracle Exadata Database Machine X4」の提供を国内で開始すると発表した。発表会見には、2013年8月に同社の社長兼CEOに就任したDerek H Williams(デレク・エイチ・ウイリアムズ)氏が初めて姿を見せて挨拶した。冒頭の発言は、同社のトップとしての思いを語ったものである。
今回発表されたOracle Exadata Database Machine X4は、Oracle Exadataの第5世代となる製品で、データベースサーバからストレージ、ネットワークまで広範な技術を強化し、性能と容量を大幅に向上。データベースクラウド環境の基盤として最適なエンジニアドシステムだとしている。
その内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは会見でのWilliams氏の発言を取り上げておきたい。
挨拶に立った同氏は、オラクルの上位3つの優先事項として「SaaS Applications」「Exadata & Engineered SyStems」「Database 12c」を挙げ、「これらはいずれもオラクルにとって、グローバルにおいても日本においても大変重要な戦略製品である」と強調した。
新製品の発表会見ということで挨拶では特に日本オラクルのトップとしてのコメントがなかったので、質疑応答で、日本法人のトップに就いておよそ5カ月が経った今、日本市場および日本法人の活動をどう見ているか聞いてみた。
するとWilliams氏はまず、「社長兼CEOに就いたのはおよそ5カ月前だが、日本オラクルは2001年に社外取締役に就任してからずっと関わってきている」と語り、日本オラクルおよび日本市場を12年にわたって見てきたことを強調した。
同氏の略歴によると、1991年から日本を含めたアジア太平洋地域を統括し、2001年に日本オラクル社外取締役に就任。2006年からは米国本社エグゼクティブバイスプレジデント(EVP、2000年に就任)として日本を担当し、2008年から2年間は日本オラクルの営業とコンサルティングを直接見てきた経緯がある。
2008年に日本オラクルの社長兼CEOに就任した遠藤隆雄氏(現・取締役会長)を日本IBMから引き抜いたのもWilliams氏と言われており、遠藤氏のレポート先でもあった。その遠藤氏からWilliams氏への2013年8月の社長交代は、突然で理由も明らかにされなかったが、もともと日本を統括してきたWilliams氏が就任したことからすると、米国本社の強い意向があったものと推察される。