1月前半に一部で注目を集めていた「市場シェア」についての話を紹介する。The GuardianのCharles Arthurという編集者の手による記事で、どちらかというと解説記事に分類されそうな内容のもの――あちこちで見かけるけれど、よくよく考えてみるといろんな疑問が浮かんでくることも多いスマートフォン(を含むガジェット)の市場シェアの意味について説明したものだ。
Three graphs to stop smartphone fans fretting about 'market share'--The Guardian
この記事の中で著者のArthurはお手製と思われる3つのグラフを示しながら話を進めている。3つのグラフの中味は下記の通り(リンク先のグラフを見ながら話を読んでいただきたい。権利処理などが済んでいないため画像を直接貼り込むことができない点は悪しからず)。
(1)2011年10月~2013年の米国スマートフォン市場におけるOS別販売台数シェアの推移(データはKantar ComTechという調査会社のもの。各月の数字はそれぞれ過去3カ月――たとえば2013年11月なら9~11月の販売台数シェア)
(2)同期間中の米国市場におけるインストールベースのシェアの推移を示すグラフと(1)のグラフとを比較したもの(インストールベースシェアのデータは、ComScoreのものが利用されている。こちらもやはり過去3カ月間の数字)
(3)(1)のグラフと米国市場におけるインストールベースの累計台数の推移を示すグラフとを比較したもの
3つのそれぞれに使われているKantar ComTechのグラフからは、Android(緑色の線)とiOS(水色の線)が割と激しいトップ争いを続けている、といった印象を受ける。期間中(26カ月)の間に順位の逆転が4回も起こっている。ついでに言うと、このグラフに出てこない2013年12月(10~12月)の時点でも再びiOSがトップに返り咲いていてもおかしくない、との感じもする(これまでに目にしている複数のニュースなどから、註1)。
一方、2番目と3番目に出ているComScoreのグラフは、1番目のものとはかなり印象が異なるものだ。2つの違いはちょっとがわかりづらいかもしれないが、2番目(上)の方は縦軸の目盛りが「%」(シェア)、それに対して3番目(下)の方は縦軸の目盛りが「台数」と思われる。そして、2番目のグラフからは「Androidが50%前後でほぼ横ばい」「iOSが40%台前半で微増を続けている(Androidとの差が少しずつ縮まっている)」「RIM(Blackberry)とMicrosoftは1桁台半ばで横ばい(ないしはわずかづつ減少)」といったことが読み取れる。
また3番目のグラフからは、「AndroidとiOSの台数が順調に伸び続ける一方で、RIMの下落が続き、Microsoftとの順位が逆転しそう」といった変化がはっきりと伝わってくる。さらに4つのOSの合計台数から市場全体が拡大している様子も察せられる(Asymcoなどでたまに目にするような各OSを色分けして積み上げたものだと、この変化の様子がさらにわかりやすいかもしれない)。