一方で、基礎研究開発の拠点となっているMicrosoft Researchの取り組みも紹介した。
今回紹介した技術は、いずれも中国・北京に拠点を持つMicrosoft Research Asiaが研究しているものだ。
「Urban Computing」は、センサ、デバイス、人、乗り物、建物などから発信される情報を地域の課題解決に生かすもので、タクシーのセンサやSNSの情報から、都市の変化を動的に把握。どこまでいけば効率的にタクシーを拾えるかといった利用方法や、空気の良い場所を探してジョギングするためのお勧めルートを選択して表示するといった使い方ができる。
センサ、デバイスなどから発信される情報をもとに、地域の課題解決に生かすUrban Computing
さらに、3D FACEとしてDNN(Deep-Neural-Network)コンピューティング技術により、これまで以上に自然で、高精度な音声認識、音声合成を可能にした技術を紹介した。これは2012年1月に発表した、感情表現パラメータを活用し、合成音声と唇の同期、本人の声による音声合成を実現する3Dリアルタイム表示技術を進化させたもので、3D FACEでは、スマートフォンのカメラで、人を360度撮影すると、スマートフォン上に3Dで顔を表示し、この画像を指一本でリアルタイムで動かせる。
また、3Dプリンタにおける最適化技術も研究しており、プリント処理で壊れやすい、あるいは形状の再現が簡単ではないといった3Dブリントの課題に対して、強度計算の実行や、中身をメッシュ構造にすることで、造形物を頑丈にしたり、重心の位置を考慮しながら3Dプリントできるようになるという。
3D FACEでは、スマートフォン上に3Dで顔を表示
重心の位置を考慮しながら3Dプリントを行うことができる