オープンデータは大きなビジネスチャンス、地域の課題解決にも有用--OKFJ - (page 2)

江口晋太朗

2014-02-05 15:04

データカタログの公開を通じて、政府もオープンデータを推進

 日本政府は12月20日、複数の機関が保有するデータの案内や横断的検索の機能を備えたデータカタログサイト試行版を公開した。公開されたデータにはメタデータが付与されており、すでに9000以上ものデータを誰でも自由に編集、加工など利用できる。早田氏は、「掲載データ検索のページ」「オープンデータ関連の取り組みのリンク集」「データに関する要望受付」といった3つのポイントがデータカタログにはあり、政府としてオープンデータの利用を推進していきたいと語る。


内閣官房情報通信技術(IT)担当室主幹 早田吉伸氏

 「12月20日に公開したデータカタログは、多いときには1週間で20万ページビュー以上のアクセスがあり、海外からの注目も大きい。政府としてもデータをどのように掲載するか、今後どういったデータを公開していくかといった意見を、積極的に受け付けたいと考えており、受付窓口を設置している。投稿された意見については、事務局から関係府省庁に回答作成を依頼し、1カ月に1回のタイミングで回答を公開していく」(早田氏)

 1月20日からは、開発者向けコーナーとサイトの使いやすさを聞くアンケートを通じ、サイト全体の意見を募集しながら本格運用しているという。積極的なデータ活用の促進のためにコンテストの支援や開発されたアプリの紹介、利用者の意見を通じて、データの充実などの機能の拡充を図る。

地域のITコミュニティで市民も参加

 2013年10月に設立したCode for Japanは、市民参加型のコミュニティから地域の課題を解決するためのアイデアを考え、テクノロジを通じて公共サービスの開発や運営を支援する非営利団体だ。副理事長の高木祐介氏は、地域課題をテクノロジを通じて解決する活動「Civic Tech」(シビックテック)を紹介。データやテクノロジを活用し、地域課題に取り組むためには、課題を抱えている市民とエンジニアが協力体制を作れるコミュニティを形成することが重要だという。


Code for Japan 副理事長 高木祐介氏

 Code for Japanは、すでに全国で立ち上がっている地域の課題解決に取り組んでいるコミュニティ支援を軸に活動している。「活動内容として100都市以上もの税金を可視化する『Spending.jp』、壁の落書きや道路の欠損といった街の不具合をスマートフォンで市民が投稿するアプリなどがあり、千葉では実証実験が実施された。あるベンチャーが開発したバスのロケーションアプリが買収されるなど事例も出てきており、オープンデータを活用した地域課題解決の取り組みは全国に広がりつつある」(高木氏)。高木氏は、オープンデータは地域の状況を深く知るきっかけだと語り、市民とエンジニアのコミュニティづくりが重要と強調した。

オープンデータイベントを世界同時に開催

 2月22日には、世界同時でオープンデータを活用したハッカソンやアイディアソンなどを実施する「International Open Data Day 2014 」が開催される。2013年の同イベントには世界から102地域、日本からは8都市が参加した。オープンデータを活用しながら、それぞれの地域課題解決につながるアプリやウェブサービスの開発に取り組んだ。2014年は、2月4日時点で国内29カ都市が参加を表明しており、全国各地でオープンデータに関する催しも企画されている。

 「データを活用し、どのように地域課題を解決するか。ビジネスの可能性も含めて、これからオープンデータは大きな期待が持てる分野。民間企業だけでなく、行政とも一緒になって取り組んでいきたい」(庄司氏)

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