IoTを見据えるSystems of Interacitionとは
Systems of Interacitionは、IoTの進展を念頭に置いた発想だ。この実現では、基幹系やフロント系、IoTを包括的に連携させる仕組みが必要になるという。同社がこれまで培ってきたメッセージングやトランザクション処理、連携/統合、アプライアンスのテクノロジを最大限活用することで、“Systems of Record(記録のシステム)”と呼ぶデータベースや統合基幹業務システム(ERP)、顧客情報管理システム(CRM)などのバックエンドシステム、“Systems of Engagement(つながりのシステム)”によるフロントエンドシステムとIoTを同社製ソフトウェアを活用した統合基盤で包括的に連携できるとした。
今後、IoTが本格化すれば、Systems of RecordとSystems of Engagementの間のトランザクションは膨大になる。ここでは、同社が蓄積してきたメッセージングやトランザクションの処理、連携や統合、アプライアンスなどの技術を結集してIoTを包括的に支えることを目指す。
Mahajan氏は「すべてSMACSを中心に進めていきたい。アナリティクスやモバイルなど提供する製品群はどこにも負けないものを揃えているが、重要なのは、これらを束ねてどのように価値を提供していくかということだ」と語り、SMACSを支える基盤的技術でIBMは大きな優位性を持っていると強調する。
従来同社のソフトウェア事業は、Notes/DominoやWebSphere、Tivoliなどのブランドごとに整理され、効率的な製品展開が図られてきたが、市場は大きく変化しており、特にモバイルやソーシャルへの集中が求められるなど、従来の形式は揺さぶられている。クラウドの普及でソフトウェア事業が大きく影響を受ける中、同社はIoTの時代を見据え、Systems of Interacitionのような領域を大きな潜在市場と位置付け、新たな需要の掘り起こしを模索する。
2014年の日本IBMのソフトウェア事業戦略は2013年以上にクラウドへのシフトを鮮明に打ち出したと指摘できる。日本IBM全体が成長戦略を描く中で果たしてクラウドサービスがどれだけ貢献するのか。基盤系ミドルウェアが成長の牽引役であることは変わりないだろうが、その中でクウラドサービスの収益貢献度合いが気になるところだ。