IDC Japanは2月6日、国内通信事業者が提供するソリューション/マネージドサービス市場の2013年の見込み2018年までの予測を発表した。2013年の同市場は前年比3.6%増の5754億円。内訳は、SIやITコンサルティングなどのプロジェクトベースが1677億円、ITアウトソーシングが3872億円、サポートとトレーニングが205億円だった。同市場は、2018年に6555億円に達し、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)は2.6%になると予測する。
2013年は、プロジェクトベースとITアウトソーシングの両セグメントの堅調な伸びが、全体の市場規模を押し上げたという。プロジェクトベースは、経済回復により前年比1.4%増のプラス成長に転じた。スマートデバイス活用のためのシステム構築やセキュリティ強化、オンプレミスからクラウドへの移行のためのシステム構築、事業継続計画(BCP)/災害復旧(DR)対策需要なども同セグメントの成長に寄与したという。ITアウトソーシングも、コロケーションやクラウドサービスの利用が拡大し、2012年を上回る成長率で推移したと説明する。
2014年以降は、通信事業者のソリューション/マネージドサービス市場全体はプラス成長を維持するものの、通信事業者のITアウトソーシングへのシフトによるSIの伸び悩みや、コロケーション市場の飽和などにより、2013年をピークに成長率は徐々に下がるとIDCでは見ている。
IDCは通信事業者の戦略として、多くの事業者が個別の顧客ニーズに応えるSIよりも、クラウドやデータセンターなどの標準的なインフラ機能を提供するITアウトソーシングサービスによる売り上げ拡大を志向していると説明。その背景には、通信事業者が、通信サービスを提供してきた経験から、大規模に設備を運用することで標準的なサービスを広く提供することを得意としているためと指摘した。
2011~2018年の国内通信事業者のソリューションやマネージドサービス市場予測(IDC提供)