日本ヒューレット・パッカード(HP)は2月6日、データ保護ソフトウェアの新版「HP Data Protector software 8.1」の販売を開始したと発表した。価格は18万7950円から。データセンターでのデータ保護を変革する新たな戦略的イニシアティブとして掲げる「Adaptive Backup & Recovery(ABR)」に向けた第1弾の機能が搭載している。
ABRは、次世代の基盤に適応し、インテリジェントなバックアップ機能を提供するために“優先度、予測、推奨、自動化”の4つのコンポーネントで構成。データセンターでの自己対応、自己修復、自己管理によるデータ保護の実現を目指すという。
Data Protectorは物理マシンと仮想マシンが混在した環境のバックアップとリカバリが可能なデータ保護ソフトウェア。新版では、第1弾として「優先度ベースのジョブスケジューラ」を搭載、データとアプリケーションの優先度や重要度に基づいたバックアップ戦略やポリシー設定が可能となる。
大規模環境への対応やHP製ストレージとの統合などの機能強化も図られている。大規模バックアップ環境へのニーズに対応するため拡張性や性能が強化され、1つのバックアップ環境で1兆個のファイル、5000台のクライアント、1日あたり9万9999セッションの対応が可能、バックアップ速度は1時間あたり理論上最大140Tバイトに達するという。
HP製ストレージとの統合では、ストレージアレイ「HP 3PAR StoreServ」と連携したゼロダウンタイムのバックアップとインスタントリカバリのサポートをHP-UXとLinuxにも拡張した。バックアップアプライアンス「HP StoreOnce Backup System」と連携した重複排除機能では、帯域制御、クオータ制御の設定や格納データのハードウェアベース暗号化を可能とし、ストレージコストの削減に貢献するとした。
インメモリデータベース「SAP HANA」アプライアンスとのインテグレーションのサポート、拡張自動ディザスタリカバリ機能の向上、「VMware vSphere 5.5」「vCloud Director 5.5」のサポートといった機能拡張も搭載している。
Data Protectorでは、無制限のクライアントライセンスを基本ライセンスのスターターパックで提供、オンラインオプションライセンスをアプリケーションの種類に依存せず提供している。ライセンス体系をシンプルにすることでライセンスの無駄な投資が抑えられるため、物理サーバから仮想サーバへの移行、CPUコアの増加に影響されることなく、低コストでのバックアップ運用ができるとメリットを説明している。