IoT普及の鍵は信頼に
--最近では従来型の情報システムに加え、IoTのような新しいIT活用と、それに伴うワークスタイルの変化も起こっています。
現在IoTで先行しているのは消費者向けのサービスを提供している企業に見えますが、今後は「信頼」が重要なキーワードになるでしょう。信頼感をベースに考えると、決してMicrosoftが遅れをとっているとは思いません。今後、そういう提案が増えてくるでしょう。
例えばBYODですが、最近では米国では「リバースBYOD」がキーワードになっています。個人の端末をビジネスに利用しながら安全を担保しようとすると、コストがかからないように見えて、実はコストがかさむケースが結構あります。むしろ、端末代金は企業が持って、企業が支給する端末で業務も、個人の作業もやるスタイルの方が安全も守れて、トータルコストは安上がりで済むというのが「リバースBYOD」です。
そんな流れに乗ってSurfaceを導入する事例も出ています。デルタ航空では、パイロットに1万1000台のSurfaceを導入しました。結果的にコストも抑え、セキュアな環境を実現できたそうです。
コンシューマーで利用するデバイスと、企業で利用するデバイスに差異があってはリバースBYODは実現しにくいですが、Windowsタブレットであれば2in1が実現できます。これまでタブレットを別途導入していたものを置き換えると考えれば、デバイスの支給コストもむしろ低くなったという声もあります。
--競合メーカーのタブレットを置き換えると考えると、Microsoftとしてはむしろプラスになりますね(笑)。
そうなんです(笑)。2in1でできることをきちんと提案すれば、そういうビジネスもできるんではないかと。例えば、店舗でタブレットを活用する場合、プレゼンをする際のタブレットと、バックヤードでPCとして業務システムのために活用するといった使い方もできます。提案内容をより深掘りしていけば、まさにビジネス課題を変えるような提案に繋がるのではないかと。
--2014年のビジネスで最も注力していくことは?
やはり、顧客のトラステッドパートナーになりたい、ということです。ITベンダー、ソフトウェアサプライヤーではなく、経営のパートナーとして日本マイクロソフトを認めてもらい、「ビジネス課題があるのなら、とにかく日本マイクロソフトに相談してみるか?」と言われるような組織になっていかなければならないと思っています。
--2014年には4月にWindows XPのサポートが終了し、翌2015年にはWindows Server 2003のサポートが終了します。
私が担当するエンタープライズの顧客に関しては、既に予算を取って対応されているところが多いように思います。ただ「安定して使えているのだから、変えたくない」という顧客がいることも承知しています。サポート終了に伴い、システムリプレースが必要ということは引き続きアピールしていきます。