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大元隆志のワークシフト論

ストーリーで需要を喚起せよ--変化する企業のかたち(後編)

大元隆志(ITビジネスアナリスト)

2014-02-26 07:30

技術のビジネスバリューを訴求するストーリー作り

 前編では接触チャネルの増加、アプローチ部門の変化によって、従来の広報とは異なる切り口で、世の中とコミュニケーションを採れる人材が必要とされるため、「Chief Communications Officer(CCO)」という職位を新設した米Oracleの例を紹介した。CCOの取り組みの1つが「ジャーナリストとして培ったストーリー作り」だ。

 ここ数年の技術トレンドにソーシャルメディア、クラウド、モバイル、ビッグデータがあり、最近はInternet of Things(IoT)への注目が高まっている。各々の技術が相互に影響を与え、結果としてインターネットには巨大なデータがあふれだしている。データ分析を得意とするOracleにとっては、あふれたデータを企業が活用する流れはビジネス拡大のチャンスでもある。

 しかし、これらの技術を採用しようとする企業側の担当者からしてみれば「いかにして、自社で活用できるか、収益に貢献できるか」を考えることはなかなか大変だ。毎年のように新しい「キーワード」が登場するし、そのキーワードが何なのかを理解するにも時間が必要になる。ましてや、そのキーワードは単なる流行で終わってしまうものなのかもしれないのだ。

 こういった最新技術のビジネス活用を考えている人たちへ向けて、技術スペックではなく、ストーリーで活用方法をイメージさせることが、求められている。

 IoTを例に少し考えてみよう。「モノのインターネットの市場が急成長する」と盛んに報道されても、企業で事業企画の担当者などからしてみれば、それが自社にどんな影響をもたらすものなのか、さっぱりわからないだろう。「2020年にはモノのインターネットが500億デバイスに成長します! 」と、メーカーの営業担当から血気盛んに迫られても、それにどんな投資価値があるのか想像することは簡単ではない。

 では、こう説明されたらどうだろうか。「日本の社会の課題の1つである高齢化問題に対するITの活用法を考えてみましょう。最近家族と離れて暮らす『独居老人』が増えています。若い世代は仕事を求めて東京で暮らし、両親が地方に残り単身世帯となる。もし、みなさんが仕事をしている時に両親の容態が悪くなったりするとしたらどうしますか。1人で暮らしているため、何かあったときに誰にも相談することができない状態にあるかもしれません。そんな時、家にあるテレビが家族の容態を察知することができたとしたらどうでしょうか。例えばテレビのオン、オフ、チャンネルの変更などの操作が、突然なくなったとき、家族に確認をうながすメールが“モノ”から発信される。モノがインターネットに繋がり人に代わって通信する。これが、いま流行のモノのインターネットの活用案です」

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