XPサポート終了で特需--企業PCの出荷が5割増

山田竜司 (編集部)

2014-02-12 13:17

 IDC Japanは2月12日、日本国内の2013年10~12月(第4四半期)と2013年の年間PC市場の出荷実績値を発表した。2013年第4四半期の国内PC出荷台数は、前年同期比17.8%増の435万台となり、2013年の年間では、前年比0.2%増の1562万台だった。

 2013年のPC出荷台数の内訳は、家庭市場が前年比22.3%減の586万台、ビジネス市場が同比21.4%増の976万台。家庭市場は、タブレットなどの影響によりマイナス成長になったが、ビジネス市場は景況の改善と年4月9日に予定されているWindows XPサポート終了 に伴う買い替え需要もあり、二ケタ成長となった。2013年のベンダー別動向は、ビジネス市場に顧客を持つDellが前年比28.5%増、家庭市場向け出荷比率が高いソニー、Acer、Asusなどはマイナス成長だった。

 2013年第4四半期のPC出荷台数は、前年同期比17.8%増の435万台、家庭市場が同比15.0%減の158万台、ビジネス市場が同比51.1%増の277万台となった。家庭市場は、慢性的な不振だが、ビジネス市場は50%以上成長した。IDCは大企業だけでなく、中小企業、公共など多くの団体でWindows XPサポート終了に伴う買い替えが進んでいるためと説明している。2013年第4四半期のベンダーシェアでは、上位5社の中からDellが前四半期から順位を1つ上げた。

 上位シェア5社別に見るとNEC lenovoグループの出荷台数は、前年同期比29.3%増の114万台。シェアは26.3%だった。ビジネス市場で売り上げを伸ばし、家庭市場での落ち込みも抑えた。富士通の出荷台数は、前年同期比24.3%増の89万台。シェアは、前四半期から0.4ポイント増の20.5%。ビジネス市場で前年同期比で成長率60%増、全体では20%以上成長した。東芝の出荷台数は、前年同期比6.8%増の53万台。東芝はポータブルPCの顧客が多く、ビジネス市場でのデスクトップPC買い替え需要の恩恵を受けられなかった。Dellの出荷台数は、前年同期比51.9%増の48万台。ビジネス市場だけでなく、家庭市場で台数を伸ばし、シェアは、前期から0.3ポイント増の11.0%。日本ヒューレット・パッカードの出荷台数は、前年同期比26.2%増の41万台。家庭市場のマイナス成長が影響し、シェアは前期から1.6ポイント減の9.4%になった。

 IDCは「家庭市場向けPCの出荷台数は2006年から2012年まで徐々に増え、ビジネス向け出荷台数とほぼ同じになったが、2013年は出荷台数が減少し2006~2007年の状態に戻った」と分析している。


2006~2013年 国内PC市場出荷台数/前年成長率 家庭/ビジネス別(IDC提供)

2013年第4四半期 国内クライアントPC出荷台数トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(IDC提供)

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