マイクロソフトのナデラ新CEOが直面する10の課題 - (page 3)

Steve Ranger (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-02-19 07:30

5.モバイル市場に再び入り込む方法を見つける

 モバイルは今、最も勢いのある市場であり、Microsoftにとっては消費者向け製品と同じくらい重要だ。スマートフォン分野でAppleやGoogleに敗北することは、明日のデスクトップ市場を明け渡すことに等しく、OfficeからAzureに至る製品にも大きな打撃を与えるだろう。

 MicrosoftによるNokiaのデバイス事業の買収は、モバイル市場で強力な3番目のプレイヤーになるためには好手だったが、これですべてが解決されるわけではない。Nadella氏は、Microsoftの一部としてNokiaを最大限に生かす方法を見つけ、Windows Phoneのハイエンドモデルの売り上げを伸ばす(これまでは主にローエンドで成長してきた)手段を模索する必要がある。単に法人顧客に訴えかけるだけでは、不十分だろう。

6.Apple、Google(およびAmazon)と同時に戦えるかを判断する

 現在の戦略では、Microsoftはエンタープライズ事業の企業のようだが、一般消費者市場へも少なくともリップサービスくらいはしないと、エンタープライズ事業はうまくいかない。Microsoftは、Apple、Amazon、Googleを含む、ソフトウェアとハードウェアのトータルエコシステムを構築しようとする4つの企業のうちの1つであり、これは、スマートフォン、タブレット、クラウドなど多くの前線で同時に戦わなくてはならないことを意味する。

 Microsoftは果たして、これらのライバル企業と同時に戦えるのだろうか。消費者向けデバイスから、検索、クラウドインフラに至るまでのすべての分野で戦うことができるのか、それとも、いくつかの分野では敗北を認めるべきなのだろうか。

7.何が消え、何が残るかを判断する

 Microsoftが「Xbox」部門と「Bing」部門を売却すべきだという提案が既に出ている。この意見は費用の問題と、これらの事業がより大きな戦略のどこに位置するかが不明確である点を懸念する人たちから出ており、確かにMicrosoftは、うまくかみ合わない事業も多く持っている。XboxとBingはデバイス&サービス戦略の好例であるため、両方を維持できれば最善だが、ポートフォリオのほかの要素を切り捨てる必要がある可能性も大いにあり得る。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. 経営

    プロが教える“使える業務マニュアル”--作成・運用を実現する3つのポイント

  5. セキュリティ

    生成AI活用の潜在的なセキュリティリスクに準備しておくべき「6つの戦略」とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]