8.大胆で楽しい賭けをするという評判を得る
Googleがうまくやってきたのは、その巨大な収益の小さな一部分を使って、馬鹿馬鹿しいほど大きな賭けをし(「Google Glass」、自動運転車、「Chromebook」など)成功するかもしれないところまで持って行ったことだ。これらの賭けは公開されたもので、Googleは単なる巨大広告企業ではなく、イノベーションを育てるところだという評判を固めるのに役立った。
Microsoftは、動きが鈍く官僚的なIT企業だという評判を振り払うために、こうした大規模な面白い賭けを始めるべきだろう。例えば、Microsoftは素晴らしい技術に取り組んでいる研究開発組織を世界中に数多く持っている。研究プロジェクトをより早く製品にすることが、CEOとしてのNadella氏の課題の1だろう。
Microsoftが秀でている分野の1つが、ユーザーインターフェースだ。たとえば、ジェスチャー操作や「Kinect」技術については、ゲーム以外に多くの使い道がある興味深い取り組みを行っている。また、デジタルアシスタント「Cortana」も、なるべく早く市場に出すべき取り組みの1つだ。Appleの「Siri」と「Google Now」がファンを増やしており、Microsoftもこの市場に参入すべきタイミングだろう。
9.最初の、象徴的な買収を正しく行う
新CEOは良くも悪くも、大胆な戦略的買収で器が量られることが多い。Merissa Meyer氏はTumblrを急襲したし、Leo Apotheker氏はAutonomyを買収した。MicrosoftがSnapchatに飛びつくということは(おそらく)ないだろうが、Nadella氏は最初の象徴的な買収の重要性について意識するべきだ。たとえばOculus RiftやXiomiの買収といった、1つの行動で企業のあり方を再定義するような、大胆で美しいものでなくてはならない。それがどのようなものになるかは、想像することしかできないが。
10.素早く、かつ慎重に行動する
Steve Ballmer氏は「Microsoftの前途には最良の日々が待っている」と楽天的に述べたが、確かに同社は十分によくやっている。Microsoftは、最悪の表現でも大きな収益を上げるしっかりした企業であり、最高の見方をすれば、幅広く成功しているビジネスモデルから、さらに実り多い別のビジネスモデルへの移行を始めた企業ということになる。Microsoftには集中と再活性化が必要だが、大きな手術は必要ない。実際、Microsoftはかなり良好な状態にあり、10億ドルを超える規模の事業を16も持っている。
野心が強すぎるCEOがあまりに急ぎすぎて多くを壊しすぎれば、立て直しが必要な状況に陥る可能性はあるが、今はそのような状況ではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。