今ではすっかり身近な存在になった感もあるLED照明を、新しい目的のためのインフラに役立てようとする動きが一部で目立ってきているようだ。
まず、オランダの大手電機メーカー、Philipsが今週はじめ、小売店舗向けの新しい照明の仕組みを発表していた。ビーコン(発信機)などが付属する複数のLED照明を天井などに埋め込み、スマートフォンユーザーに売り場案内や割引クーポンなどを提供するというこの仕組み。具体的な技術に関する詳細などは明らかではないが、要はGPSやWi-Fiがあまり得意ではない屋内での位置情報の取得を、このLED照明装置を使って行うことで、個々のユーザーの居場所に応じた情報が提供できるということだろう。ユーザー側で対応アプリをインストールしておく必要はあるが、店舗側では別途ビーコンを設置しなくてもAppleの「iBeacon」に似たサービスの提供(とデータ取得)ができるなどとして、複数の媒体でこの話題が取り上げられていた。

Philips Connected retail lighting system
・Philips takes on Apple's iBeacon with lights that send deals to your smartphone - The Verge
なお、iBeaconについては、一部で報じられているとおり、米国にあるApple Store(250店舗以上)で2013年末から稼働しているという。また、いち早く導入の意向を表明していた米MLB(メジャーリーグ)からは、今週に入ってLA DodgersとSandiego Padresの本拠地でそれぞれ導入完了と発表されていた。さらに、今月初めにあったNFLのSuper Bowl開催に合わせて、試合会場のMetLifte Stadium(ニュージャージー州)とNYC中心部のタイムズ・スクェア周辺にそれぞれiBeacon対応の発信機が実験的に設置されるというニュースも出ていたが、ただし具体的な実験結果などを報じたニュースなどはまだ目にしていない。
・Another Super Bowl Ad Fest, This Time on the Cellphone - NYTimes