日本HP、Red Hat Enterprise Linux向けサポートサービス強化

大川淳 2014年02月26日 13時54分

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 日本ヒューレット・パッカード(HP)は2月25日、「Red Hat Enterprise Linuxミッションクリティカルサービス」の提供を開始した。ミッションクリティカルな領域で活用されるLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」向けのサービスを強化する。

 ミッションクリティカルな領域でRHELを利用しているユーザー企業向けに長期サポート、障害対応目標時間の設定、レガシーシステムからの移行支援などを提供する。基幹業務向け以外のミッションクリティカル領域でLinuxの活用機会が増加し、さまざまな課題が発生しているため、今回のサービスで課題を解消し、ミッションクリティカル市場で優位に立つことを目指す。

アップデート関連のコストを削減

 RHELミッションクリティカルサービスは、「RHEL Advanced Mission Critical Update Support(6年長期サポート)」「RHEL ミッションクリティカルSLAサポート」「RHEL Shift JISサポート」」で構成される。

 RHEL Advanced Mission Critical Update Support(RHEL AUS)では、重大影響度のセキュリティ修正と一部の緊急優先度のバグ修正を提供する。RHELは、約6カ月ごとにマイナーリリースが提供されるが、修正パッチが作成されるのは、最新版だけとなっている。継続的に修正パッチを適用していくには、約6カ月ごとにマイナーリリースのアップデートが必要となる。

 今回のサービスでは、特定のマイナーリリースについて、アップデートを伴わずに修正パッチを適用でき、特定のマイナーリリースのサポート期限を最大6年まで延長できる。不具合や修正パッチの情報をいち早く報告するサービスもオプションで提供する。税別の参考価格は年間42万円 。同社では、RHEL AUSでマイナーリリースのアップデート作業の頻度が減少し、RHELのユーザー企業は、アップデートに関わるアプリケーションの検証などのコストを削減できるとなるとしている。

 RHELミッションクリティカルSLAサポートでは、ミッションクリティカル向けサーバで発生した障害に対応する際に、目標時間を設定する。障害の発生から24時間以内に解決策(回避策)を提示するほか、31日以内に恒久的な対処策を提供する。

津村伸武氏
日本ヒューレット・パッカード 常務執行役員 テクノロジーサポート統括 津村伸武氏
中井大士氏
日本ヒューレット・パッカード HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 エンタープライズサーバー製品部長 中井大士氏
土屋美恵氏
日本ヒューレット・パッカード テクノロジーサポート事業統括 アタッチビジネス本部長 土屋美恵氏

 同社によれば、RHELの標準サポートの場合、基本的に対応時間の目標設定やコミットはないため、ミッションクリティカル領域で利用する場合、OSのアップデート作業、アプリケーションの再テストに工数とコストがかさみ、脆弱性への対応、サービスレベルなどの面で課題となっているという。同社は、Red Hatの技術者との連携を一層強化するとともに、世界規模で技術者や製品の専門家のサポート力も活かす体制を構築する意向だ。価格は個別見積もりとなっている。

 RHEL Shift JISサポートでは、UNIXシステムで使われている文字コード「Shift JIS」をRHEL環境で正式にサポートする。標準ではサポートされないShift JISをRHEL上で使用できるようにする。Shift JISを使ったアプリケーションやデータなどの既存のUNIXシステム資産を円滑にRHEL環境に移行させ、有効活用できるという。価格は個別見積もりとなっている

基幹業務系以外でも求められる信頼性

 日本HP 常務執行役員 テクノロジーサポート統括の津村伸武氏は「従来ミッションクリティカル領域は基幹業務系システムのため、特別なハードやOSなどで担ってきたが、市場が大きく変化している。この市場は裾野が広がってきた」と指摘。メールなどの汎用情報系、データ収集解析系といった分野でもミッションクリティカルが求められてきているのが現状だとする。

 同社は引き続き、基幹業務系向けでの製品提供や機能拡張は実行していく。同社 HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 エンタープライズサーバー製品部長の中井大士氏は「今回のサービスはより幅広く、導入しやすいミッションクリティカル環境を提供しようとの考えが念頭にある」と話す。この分野でも「HPはリーダーを目指す」(中井氏)考えだ。

 同社 テクノロジーサポート事業統括 アタッチビジネス本部長の土屋美恵氏は「日本HPは製品開発とサポート強化の両輪で拡大するミッションクリティカル市場に継続投資する。今回のサービスは、施策の第1弾であり、2014年後半には同分野向けの新サポートサービスを発表する」としており、今後の成長が期待される市場での展開に向けた、同社の意欲を示した。

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