三国大洋のスクラップブック

世界一のバッテリメーカーに?--テスラの“ギガファクトリー”計画 - (page 2)

三国大洋

2014-02-27 15:38

「年間50万台分のバッテリパックを生産」

 「市販価格約3万5000ドルのEV」というのは、第3世代にあたる「Model X」というスポーツ用多目的車(SUV)で、同社が以前から2014年中の発売予定を掲げてきているもの(「今後3年以内に」というのは工場建設完了から製造ライン稼働まで、ということか)。「航続距離は約200マイル」が目標というから、現行車種Model S(60kWh版のほうで244マイル)の8割くらいの容量のバッテリが搭載されるのかもしれない(車重などにもよるが)。

[Car Tech: Tesla Model X]

 Model Sの2013年の出荷台数は目標(当初2万台)を上回る2万2477台で粗利率も目標の25%を上回ったこと、今年の予想出荷台数は3万5000台、粗利率は28%の見通しといった話も見受けられる。

 ギガファクトリーについて目を惹くのは、Muskが「年間50万台分のバッテリパックを生産できるもの」としている点。この生産量は、現在世界で作られているリチウムイオンバッテリの合計にほぼ匹敵するものということで、つまりTeslaが世界一のバッテリメーカーになる、という見方もできるかもしれない。

 Teslaとパナソニックとの関係は、iOS端末用に「A」シリーズのSoCを設計するAppleと、同プロセッサを製造するSamsungとの関係と近いのかもしれない。そして、年間1億台を超えるiOS端末を販売していてもAppleが“チップメーカー”と呼ばれることはないから、その線で言うとやはりTeslaも“バッテリメーカー”とされることはないかもしれない。ただ冒頭の引用にある「トヨタ自動車など他社への供給も……」が実現すれば、これは実質的に立派なバッテリメーカーということになりはしないか(少なくともARMのような立ち場にはなりそうだ)。

 さて、このバッテリの供給(=生産キャパシティ)が「Teslaの成長にとって最大のボトルネック」とするアナリストの見方が、2月19日付のBusinessweekの記事で紹介されている。

 (バッテリ)セルの供給がTeslaの成長を制限する最大の要因。だから彼らが話をしていたとしても意外なことではない。われわれの目には、Teslaは実質的にバッテリ分野でビジネスをしてきていると映っている(Dougherty & Co.のAndrea Jamesのコメント)

“Cell supply,” James says, “is the biggest constraint on Tesla’s growth. It doesn’t surprise me that these guys are talking. In our view, Tesla has always essentially been in the cell business.”

 「Model Sを製造するTeslaの工場でかなり進んだロボットが導入されている」というのは以前からよく目にする話。これが「どの程度進んだものであるのか」の見極めはつかないが、こういう製造拠点がすでにあることを踏まえると、「最大のボトルネックはバッテリセル(の供給)」というのも、ある程度説得力があるものと思える。


[Tesla Motors Part 1: Behind the Scenes of how the Tesla Model S is Made-The Window-WIRED]

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