三国大洋のスクラップブック

世界一のバッテリメーカーに?--テスラの“ギガファクトリー”計画 - (page 4)

三国大洋

2014-02-27 15:38

バッテリコストを3割引き下げる

 Teslaのバッテリ工場新設に関する資金調達の話が米国時間2月26日に正式発表された。発表で明らかになったのは、新設する大型バッテリ工場の概要とそれに関わる設備投資(と資金調達)の一部。既報の通り、Teslaはこの新工場で年間50万台分に相当するEV用バッテリパックを生産する予定で、これによりバッテリのコストを現在に比べて3割程度引き下げたい考えだという。

 2020年までの投資金額はあわせて40億~50億ドル程度になる見込みで、費用の負担についてはTesla自体が20億ドルを予定しており、残りはパートナー各社が負担することになるという(パナソニックからの出資が1000億円超になるとすれば、ほかに1~2社が加わるということになろう)。Teslaは、この資金調達の一環として16億ドル(最高で18億4000万ドル)相当の転換社債発行の予定を明らかにしている。

 新工場の建設は2014年半ばに始まり、生産ラインの稼働開始は2017年。工場用地については現在選定中で、テキサス、ニューメキシコ、アリゾナ、ネバダの4州が候補地として挙げられている。

 カリフォルニアにある車体組み立て工場へのアクセス(交通の便)や各州が進める積極的な企業の誘致などを考えると、いずれもほぼ妥当なところと思える。

 だが、アリゾナ州では「ゲイへのサービス拒否を認める州の法案に知事が拒否権発動した」という動きがあったばかり――「Appleも州内に新設予定のサファイア製造工場をダシに、州知事に拒否権発動を促した」などといったニュースも出ていた。また知事自らの“トップセールス”で知られるテキサスのRick Perryあたりも“最後のご奉公”(2014年秋に任期終了で再出馬せず)と張り切っているかもしれない。新工場の行方が、社会的にも大きな注目を浴びる可能性が高そうだ。

(敬称略)

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