送信証明書の役割は大きい
i契約タブレットアプリは、タブレット上で電子契約を行うとともに、契約内容の証明書メールを送信できる。要求にあわせた柔軟なカスタマイズが可能という。製品説明などのプレゼンテーションを交えながら、製品内容や契約内容をわかりやすく説明できるほか、契約のクロージングまでの作業が簡単になり、契約当事者双方にその場で契約内容の証明書メールを送付できるのが特徴だ。
契約時には、i契約タブレットアプリから必要な契約者情報を入力すると、入力した携帯電話番号やメールアドレスが利用可能な状態であるかをオンラインでチェック。ワンタイムパスワード機能で契約者の携帯電話に送信したSMSを通じて契約コードを返信し、本人による同意を確認する。
タブレットにペンでサインできる
必要に応じて、タブレットに搭載されるカメラで撮影した運転免許証やパスポートなどの確認書類を添付できる。ペンを使ってタブレットに自筆による署名も記録できる。電子契約書を当事者双方にメールで送信する。タブレット上にはデータが残らないことから、セキュリティの観点でも有効だといえる。証明書はi証明プラットフォーム上に5年間保管されるという。
「これまで紙で行っていた業務のペーパーレス化を推進させることができ、大幅なコスト削減が見込める」(田村氏)
現在、Android 4.0以上に対応しているが、今後はiOS版も提供する予定。「需要に応じてWindows版の製品化も検討したい」(杉浦氏)としている。価格は個別対応となっているが、基本機能の提供で数百万円規模になる。同社では、受取人にメールを送信し、返信内容も同時に記録することで契約行為を証明するサービス「i証明コントラクトメール(仮称)」を3月末にも提供する予定だ。
AOSリーガルテックは、データの証拠復旧やフォレンジック製品などを開発、販売している。2012年10月にデータ復元ソフトやデータ引っ越しソフトなどを販売するAOSテクノロジーズのeディスカバリーサービス事業部門から独立した。
一般企業の法務部や弁護士、警察庁をはじめとする官公庁などを対象にデータの証拠復旧やフォレンジック、eディスカバリソフト、バックアップや復元ソフトなどを提供しており、「この領域で第三者認証機関を役割を果たすための法的なルールはないが、これまでの実績から法曹界や警察庁とのつながりもあり、その点でも当社が送信証明書サービスを提供する役割は大きい」(杉浦氏)としている。