どのように顧客や商品を理解するか
顧客を理解する手法として過去には性別や年代、職業などのデモグラフィック属性やアンケートなどの結果から得られたサイコグラフィック属性を用いて価値観分析などが実施されていました。しかし、現在では顧客ニーズの多様化により、それらのセグメントは崩壊しつつあると言えます。近年では、本連載でも指摘しているように、顧客の行動履歴データやコミュニケーション履歴のデータなどを蓄積することが技術的に可能になり、定型の属性のセグメントではなく、柔軟なセグメントが設計できるため、マーケティング戦略における大きなパラダイムシフトが起きています。
一方、自社商品の理解も分析において非常に重要です。分析の多くは顧客理解のための手法が多く、この商品理解をおろそかにしてしまうケースも少なくありません。
ECサイトでの商品は在庫管理の単位であるSKU(Stock-keeping Unit)で計算されます。運用の仕方によっては廃番になるSKUもあり、同じ商品にもかかわらず別のSKUで再販されることもあります。運用上問題はないのですが、後でデータを分析しようと思っても整合性を取るのが大変です。従ってSKUを適切なカテゴリで分類整理し、顧客を理解する視点で色やテイスト、サイズ、ブランドなどを分析し、趣味嗜好を分析できる商品データベースを構築することが重要なのです。