NECと米Hewlett-Packard(HP)は3月4日、これまでの協業関係をSDN(Software-Defined Networking)領域に拡大することに合意したと発表した。
今回の協業では、ネットワークのSDN化を促進するため、対応するアプリケーションや開発環境を広く市場に提供する。アプリケーションベンダーと連携し、オープンな標準仕様にもとづいて動的に仮想ネットワークをコントロールする機能を持つアプリケーションを拡充させていく。
マーケットプレースを通して提供することで、SDNの利用価値を高めるオープンなエコシステムを確立する。両社はすでにSDN領域の標準化を進める組織で活動しており、アプリケーションから仮想ネットワークをコントロールするためのAPIの標準化も推進する。
SDN領域でのエコシステム(NEC提供)
両社は、SDNに対応したネットワーク機器(SDNスイッチ)と、それらを動的に制御する管理ソフトウェア(SDNコントローラ)間の相互接続性を強化し、SDN対応のネットワーク基盤をグローバルに提供する。具体的には、NECのSDNコントローラとHPのSDN対応スイッチを相互に接続させるとともに、NECの“Virtual Tenant Network(VTN)”アプリケーションとHPのSDNコントローラを相互に接続させる。
VTNは、NECが開発する仮想テナントネットワーク技術。物理的なネットワークを共有した上で、ソフトウェアで設定する論理的なネットワークを構成できるようにする。
SDN対応ネットワーク機器を相互に接続(NEC提供)
今回の協業拡大で、アプリケーションベンダーも含めたオープンなエコシステムを実現し、特定企業に依存しないICT基盤を構築できるとしている。SDN領域は今後、急激に利用が拡大することが見込まれ、オープンな標準仕様にもとづいてアプリケーションからネットワークを柔軟に制御できる仕組みが求められており、両社の合意はこれらのニーズに応えるという。ユーザー企業は、ニーズにあわせて業務やセキュリティ、ユニファイドコミュニケーションなどのアプリケーションに適した仮想ネットワーク環境や通信品質(QoS)を柔軟かつ迅速に更新、変更できるとしている。