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ビジュアルコミュニケーションで働き方や生活を豊かに--ブイキューブ 間下社長 - (page 3)

大川淳 山田竜司 (編集部)

2014-03-06 18:25

企業の海外進出にあわせてアジアを重点化

--国境を越えたウェブ会議というとハードルが高そうに見える。

 東南アジアに進出する企業が増加するなか、国内と現地をつなぎたいとの需要が多くあります。ところが、東南アジアは国際回線がいささか貧弱であり例えば、日本とインドネシアの間で会議をするような場合、必ずしも快適であるとはいえません。そこで「Global Link」というサービスを用意しています。

 10カ国以上に、サーバを置いて専用線で結んでおり、国際回線を確保しているのです。当社の高速網で国際間接続が可能で、快適な国際会議ができます。これと同様のものをもっている競合他社はありません。国際間のコミュニケーションを円滑化しており、東南アジアでも引きが多いのです。

--現在はアジア地域を重点化している

 日本企業がアジアに出ていくのは、低コストの生産拠点を設けたいからです。いまや、非常に多くの工場がアジアにあります。ただ中国は政治的なリスクやコスト上昇の問題があり、生産拠点はタイ、ベトナム、インドネシアにも広がっています。やはり、アジアは文化や商習慣なども比較的日本と近いし、米国勢も入りきれていないようです。アジアは基本的に非英語圏でもあり、このあたりを積極的に攻めています。

--慣習や文化が異なるアジアで円滑に事業を展開するコツはあるのか。

 各国それぞれの状況を見て対応していくしかありません。タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシアはまったく違います。タイは仏教国で、マレーシアとインドネシアは基本的にイスラム教です。シンガポールは、いろいろ混合していますが中華系で、仏教系に近いといえます。当社にもイスラム教系の社員がいます。たとえば、電子レンジで豚肉を加熱したら(豚を不浄のものとする)イスラム教徒には、それを使えなくなります。バーベキューをする際には、網も二つ必要になります。ヒンズー教では羊肉が食べられません。このようなことは、体験を通じていないとなかなかわかり難いものです。

どこにいるかは関係ない

--社内のコミュニケーションはどうしているか。

 今のオペレーションはシンプルであって、私がシンガポールに滞在している間は日本にある社長室と常につながっています。会議でも、実際にそこにいるか、ディスプレイ越しに座っているかという違いだけで、日本でもシンガポールでも、できる仕事は特に変わらないのです。ウェブ会議では、実際に同じ場所にいるのとほぼ同様のことができます。

 できないのは、会議の後で一緒に呑みに出かけることくらいです。私は、社内の会議にはすべて出席しています。シンガポールにいる期間も3分の1は、日本の本社と会議しています。自社製品を正に使いまくっているわけです。どこにいても働ける、新たなワークスタイルを提案しているので、それがうまく機能することを自ら実証しています。案件や見積もりの相談などは、SalesforceのChatterを使っています。当社が販売しているサービスを社内でも活用し、リアルタイムでリッチに情報共有ができています。


社内向けオンラインセミナー

 そのほか、日々の業務はごく普通のテキストベースですみます。また、社員向けのオンラインセミナーも、1か月に2回程度開催しており、すべての社員に向けて直接メッセージを送っています。すでに74回になり、かなり情報共有できています。プレスリリースを出したあと、その意義について社員に説明することも多いです。

 マネジャーを集めて、何か直接伝えようとしても社員が地方や海外に出ている場合もあり、全員が顔を揃えるのは難しいでしょう。しかし、オンライン会議なら、それができます。伝言ゲームにならないので、行き違いが起こりにくいのです。自分はシンガポールにいても、アシスタントや秘書は日本にいる。それでも支障はなく、物理的なロケーションはもはや関係なくなっています。

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