会見では、「New CEO」としてNadella氏の顔写真が大画面に映し出された。樋口氏はそれを見ながら、「今日は写真だけだが、できるだけ早く来日を実現させて、本人が直接ご挨拶させていただく機会をつくりたい」と語った。同氏にとっては、日本マイクロソフトのプレゼンスを一層向上させるためにも、Nadella氏の来日を早急に実現させたいところだろう。Nadella氏がこれから海外拠点をどういう順番で訪れるかも、Microsoftのそれぞれの地域への力の入れようをうかがい知ることができるだけに注目しておきたい。
「ものづくりを支える当社の技術を、もっと広く知ってもらえるように努めたい」 (ダッソー・システムズ 鍛治屋清二 代表取締役社長)

ダッソー・システムズ 代表取締役社長 鍛治屋清二氏
ダッソー・システムズが先ごろ、今後の事業戦略について記者説明会を開いた。鍛治屋氏の冒頭の発言は、その会見で、「技術分野にとどまらず、営業やマーケティングなどの分野の方々にも」と前置きしながら、同社のさらなる認知度アップを図りたいという思いを語ったものである。
親会社である仏Dassault Systemsは1981年の創業以来、CADソフトウェア「CATIA」を中心に世界140カ国以上で事業を展開し、19万社を超える顧客および3500社を数えるパートナーとのエコシステムを保持している。鍛治屋氏によると、とくに2013年は1年間だけで1万9000社を超える新規顧客および525社の新規パートナーを獲得したという。
顧客の業種も、航空宇宙や防衛、自動車・輸送機械、天然資源、船舶・海洋、医療機器・医薬品、産業機械・ハイテク、金融・ビジネスサービス、エネルギー・プロセス、パッケージ製品・小売、消費財、建設・建築といった12分野にわたっており、それぞれの業種に特化した製品やサービスを提供している。
同社が今、注力しているのは「3Dエクスペリエンス」の展開だ。長らく3Dの分野において設計からデジタルモックアップ、製品ライフサイクル管理(PLM)へと領域を広げてきたが、最近では3Dエクスペリエンスの提供をテーマとしているという。
同社の3Dエクスペリエンス製品群は、デザイナーだけでなく一般消費者まで含めて、あらゆる人々が仮想空間の中で臨場感溢れる3Dの体験を創造・共有できる環境を提供しようというものだ。具体的には「ソーシャル&コラボレーティブ」「インフォメーション・インテリジェンス」「コンテンツ&シミュレーション」「3Dモデリング」といった4つの領域のアプリケーションとそれらの基盤ソフトウェアからなる「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」を提供している。
鍛治屋氏が語った今後の事業戦略でとくに印象深かったのは、ソーシャルに対する取り組みだ。モバイルアプリなどを充実させるほか、ソーシャルに関連するオンラインサービスを強化していくという。ソーシャルは多くのユーザーが利用するものである。そうしたこともあって、同氏はさらなる認知度アップを図りたいという思いを強くしているようだ。同社にとっては、さらに活動領域を広げる格好のチャンスといえそうだ。