ワークステーションに仮想化を--米Dellが検証センターを開設 - (page 2)

末岡洋子

2014-03-10 15:15

ノート型ワークステーションをエントリ向けに拡大

 Rhodes氏が次に提起したのは、ワークステーションを使うべき人に行き届いていないという現状だ。「医師は台所用の包丁で執刀しない。クリエイターも同じだ。価格が原因でワークステーションを利用していない人がまだまだ多数いる」という。

 このニーズを満たすべく、Dellは2013年に軽量・薄型を特徴とする「M3800」を投入した。今回のイベントでは、さらに下位となり、1199ドルという値札を付けたエントリ機種「M2800」を発表した。「9~5時就業の時代は終わったのに、ワークステーションユーザーはいまだにデスクに縛られている」とRhodes氏、ノート型のトレンドは今後も続くとの見通しを示した。

 ビデオ編集などワークステーションで行われる作業は処理能力を必要とするものばかりだ。Dellではワークステーションの性能や速度が、製作や金融などの現場のミッションクリティカルな作業を制限しないよう、性能の改善、ハードウェアとアプリケーションの最適化、速度などの技術開発を進めている。

 例えば生産性については「平均的なCAD/CAMエンジニアの年収は7万ドル、この人たちに最高レベルのワークステーションを供給すれば作業に費やす時間を削減できる。ROIは3~4週間で回収できる」とRhodes氏、Dellのワークステーションは性能を維持しつつハードウェア購入のハードルを下げる、と約束した。

 最後にRhodes氏は、Dellの優位性を「アプリケーションの性能、ミッションクリティカル向けの信頼性、ユーザー体験の3つ」とし、今後の製品開発の方向性として仮想化、ローエンドへの拡大、ノート型ラインの強化の3つを挙げた。これにサポートやソリューションが加わることになる。

ワークステーション仮想化検証センターを開設

 仮想化ではこの日、ワークステーション仮想化のためのリファレンスアーキテクチャ「Dell Wyse Datacenter for Virtual Workstations」の発表と、検証センター「Workstatioin Virtualization Center of Excellence(CoE)」を開設した。

 Dell Wyse Datacenter for Virtual Workstationsは、Nvidiaの仮想化向けグラフィックカード「Nvidia GRID K1」(または同K2)を搭載したラック型ワークステーション「Dell Precision R7610」、ラック型サーバ「Dell PowerEdge R270」上でデスクトップ仮想化技術を動かすリファレンスアーキテクチャセット。仮想化は「VMware Horizon View」と「Citrix XenDesktop」が利用できる。

「Dell Wyse Datacenter for Virtual Workstations」。Nvidia Grid K2を搭載したDell PowerEdge R720を利用、クライアントは「Dell Wyse P25」、Siemensのアプリケーションが動いている
「Dell Wyse Datacenter for Virtual Workstations」。Nvidia Grid K2を搭載したDell PowerEdge R720を利用、クライアントは「Dell Wyse P25」、Siemensのアプリケーションが動いている
「Dell Wyse Datacenter for Virtual Workstations」。
「Dell Wyse Datacenter for Virtual Workstations」

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